「私の夫と結婚して」小芝風花&佐藤健の魅力、Pが語る 日本版はラブストーリーを拡大

小芝風花と佐藤健がダブル主演を務める Amazon Original ドラマ「私の夫と結婚して」(毎週金曜2話ずつ、5週にわたり配信)が話題だ。本作は、韓国で漫画化、ドラマ化もされたNAVERウェブ小説を、日韓共同プロジェクトとしてドラマ化。親友と夫に裏切られ命を落とした主人公が10年前にタイムリープし、リベンジを図るさまが描かれる。昨年配信された韓国版に続き日本版のプロデューサーを務めるソン・ジャヨンが、両作の違いや主演の小芝、佐藤の魅力について語った。
日本ではPrime Videoで配信され反響を呼んだ韓国版では、ヒロインのカン・ジウォンをドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「キム秘書はいったい、なぜ?」などのパク・ミニョンが、ジウォンを支える神出鬼没の上司ユ・ジヒョクを現在日本でドラマ「初恋DOGs」が放送中のナ・イヌが演じ、大ヒットした。ヒットの要因についてソンPはこう語る。
「復讐の物語で快感を覚えるような場面が多く、コメディタッチの部分もかなりあるのでアプローチしやすい、分かりやすいところもあったかと思います。悪役に対しては悪口を叩きながら、気楽に鑑賞できるというのがこのドラマの魅力だと思います」
日本版は6月27日より配信スタートし、Prime Videoの日本のTV番組トップ10の1位をマーク。2位が韓国版となっている(7月10日時点)。小芝演じる主人公の美紗は、がんに冒され、夫(横山裕)と親友(白石聖)の浮気現場を目撃した挙げ句殺害されるが、目覚めると夫と結婚する前の時代にタイムリープ。自分の代わりに親友をクズ夫と結婚させる計画を思い立つなかで、一度目の人生では全く接点のなかった部長の亘(佐藤健)と接近。なぜか彼は美紗が危機に陥るたびに助けてくれる……という出だしは韓国版と同じだ。
日本版と韓国版の違いについては「日本版は、よりロマンスを強調した内容になっていると思います。例えば、佐藤さんが演じる役柄の役割が韓国版よりも増えていたり、バックボーンもより深く、繊細に描かれています」と語るソンP。最も大きく異なるのが「人生シナリオという新しい設定を取り入れたこと」だという。
「日本版は脚本を日本人の脚本家(大島里美)にお願いしました。前提として、韓国版には原作小説にはないオリジナル設定があるんですけれども、そういった部分は抜いていただけるようお願いしました。とはいえ、初めは韓国版をご覧になっているので、意識して取り入れようとしていたところもあるんですけれども、打ち合わせをして変えていきました。例えば、韓国版ではヒロインのジウォンがある歌をきっかけにジヒョクとの接点に気づく展開がありますが、日本版ではどういう歌にするのかということを話し合った時に、全く異なる接点に変えました。加えて、日本版では人生シナリオという新しい設定を取り入れました。主人公が少し舞台の芝居をしているような構造になったり、人生シナリオの中で運命が違う人に取り替えられたりする描写があるので、そういったところは韓国版と全く違います」
さらに、劇中で重要なアイテムとなるのが「傘」。予告編でも、傘を差しだす亘に美紗が「なんでどこにでも現れるんですか……?」と問いかける場面が使用されている。「実際に雨の中で撮影しました。ハイスピードカメラを使用してこだわって撮ったシーンなので、スタッフの皆さんも苦労されたと思います」とソンPは振り返る。
撮影は都内や関東近郊、愛知、富山、山梨など多岐にわたって行われ、ソンPはつきっきりで同行したというが、主演の小芝、佐藤については「まずお二人の演技力の高さにびっくりしました」と話す。
「日本の俳優さんとお仕事をご一緒させていただくのは初めてでしたが、お二人のプロ意識が本当に高かったので感銘を受けました。小芝さんは、役柄自体は明るくピュアなんですけれども、内には強さを秘めていて、そこをうまく表現してくださいました。運命からくる葛藤ということで、美紗にはいろいろな苦悩があるんですけれども、そういった複雑な心理を繊細に演じていただいたと思います。佐藤さんは、眼差しがとてもカッコいい。眼差しだけで物語を語れるぐらいのいい目をしていらっしゃいました。亘はヒロインを献身的にサポートしますが、ただ優しく接するだけではなく、厳しく助言もする、実直な側面もある役柄でしたね。運命に立ち向かうシーンではアクションも凄くて。捨て身で挑んでくださったので、我々としても感謝しかありません」
韓国版は16話、日本版は10話と話数が異なり、美紗の復讐計画がどのように着地するのか。オリジナル展開に期待が高まる。(取材・文:編集部・石井百合子)


