横山裕は「カメラが回ると豹変」、白石聖は「表情筋を訓練」 「私の夫と結婚して」Pを圧倒した悪役

小芝風花と佐藤健がダブル主演を務める Amazon Original ドラマ「私の夫と結婚して」(毎週金曜2話ずつ、5週にわたり配信中)でヒロイン(小芝)を苦しめるヒールを熱演し、注目を浴びる横山裕(SUPER EIGHT)と白石聖。横山は「初めて演じるタイプの役」、白石も「自分の殻を破るようなきっかけとなった作品」とそれぞれのキャリアにおいて新境地となったことを語っているが、プロデューサーのソン・ジャヨンが二人の魅力や撮影現場での様子を語った。
本作は、韓国で漫画化、ドラマ化もされたNAVERウェブ小説を、オスカー受賞作『パラサイト 半地下の家族』(2019)を制作した韓国の大手エンターテインメント企業・CJ ENM と、ドラマ「愛の不時着」(2019)などのヒット作を連発する韓国の制作会社スタジオドラゴンのタッグにより、日韓共同プロジェクトとして新たに映像化。親友と夫に裏切られ命を落とした主人公・美紗が10年前にタイムリープし、親友と夫を破滅させようとリベンジを図るストーリーが描かれる。
日本版は韓国版とストーリー展開が違うオリジナル作品ではあるが、ヒールの存在はいずれも健在。昨年配信された韓国版では、横山が演じた主人公の夫をイ・イギョンが、白石が演じる主人公の親友をソン・ハユンが演じ、ほぼ全エピソードに出演。同情の余地のない徹底した悪役ぶりが猛反響を呼んだ。日本版の配信が始まるなり、韓国版と同様、横山と白石の熱演に度肝を抜かれる視聴者が続出し、あまりのなりきりぶりに「嫌いになりそう」との声も上がっている。美紗いわく、横山演じる友也は「マザコンだし、自己チューだし、モラハラだし、超ド級のナルシスト」。美紗の会社の後輩・未来(黒崎レイナ)いわく、麗奈は「女のイヤなところをギュッと絞ったエスプレッソみたいな人」。
韓国版のプロデューサーも務めたソンPは撮影現場での横山について「実年齢よりもお若い印象を受けました。アイドルとしてのご活動も長いと伺っていましたし、こういった役を演じたことがないともおっしゃったんですね。いろいろなバラエティー番組にも出演されているんですけれども、実際はとても落ち着いていて、非常に静かな方。なのに、カメラが回った途端豹変するんです。図々しい表情、怖い表情のほかコミカルなところまで、見事に変身していらっしゃったので感心しながら拝見していました」と圧倒された様子。
一方、白石に対しては「研究熱心」だと語るソンP。「白石さんに関しては(アン・ギルホ)監督から“役づくりのために顔の筋肉をうまく使えるようにしてほしい”というリクエストがありました。白石さんが演じた麗奈は昼ドラの悪役のようなものではなく、多面的な、レイヤーのある役です。ピュアなところもあれば、裏に魔女的な側面もある。そうした複雑な役柄を表現するための訓練をしてきてほしいという意図でした。実際、白石さんはかなり研究してくださったようで、本当に痙攣といいますか、顔の筋肉一つ一つが震えるような演技をされていたのが記憶に残っています」
視聴者に嫌われれば嫌われるほど成功するのがヒールだが、俳優にとってメリット、デメリットをどのように考えているのか?
「悪役は感情を全て吐き出すようなところがあるので、今までそうした役を経験していない方にとってはむしろ疑似体験する形でトライしてみたいという欲求があるのではないかと私は考えています。横山さん、白石さんもそういった意味で今回の役を受けてくださったのではないでしょうか。今は時代も変わりつつありまして、視聴者の方々も“演技は演技”と線引きする方が多いと思います。韓国版もそうだったんですけれども、悪役をうまくこなせば話題になるので俳優さんにとっては魅力的なのではないでしょうか。リスクよりもチャンスだと私は見ています」
日本版の脚本を手掛けるのはドラマ「凪のお暇」(2019)、映画『九十歳。何がめでたい』(2024)などの大島里美。特に後半はオリジナル展開になっていくそうで、友也&亘のさらなる暴走を期待したい。(取材・文:編集部 石井百合子)


