『スーパーマン』ロイス・レイン役、本物のジャーナリストを徹底リサーチ「真実を追い求める」記者魂を投影

DC映画『スーパーマン』(全国公開中)でヒロインのロイス・レインを演じたレイチェル・ブロズナハンがリモートインタビューに応じ、本物のジャーナリストたちに聞き込みを行ったという役づくりの裏側を明かした。
【画像】圧巻の美!ロイス・レイン役のレイチェル・ブロズナハン
ロイス・レインは、メトロポリスの大手メディア「デイリー・プラネット」で働く敏腕記者。同僚のクラーク・ケントとは交際3か月で、彼がスーパーマンであることを知る唯一の人物でもある。
これまでマーゴット・キダー、ケイト・ボスワース、エイミー・アダムスといった俳優が演じてきたロイス・レイン。「ロイスはどの時代でも、勇敢で決断力があり、野心的な記者として描かれてきました」とブロズナハンは切り出し、「今回は『これまでと明確に違うロイスを作ろう』と意図したわけではありません。新しい俳優が演じると、それだけで自然と違いが生まれますよね。監督の視点や、俳優によってキャラクター像は変わるもの。(脚本・監督の)ジェームズ・ガンの解釈が、自然と過去作とは少し異なっているのは確かです。それでも、キャラクターの本質はしっかりと守られています」と解釈は違えど、ロイスのキャラクター像は崩していないことを明かす。
歴代ロイス・レインでブロズナハンが最も印象に残っているのは、『スーパーマン』(1978)に登場したマーゴット版だという。「マーゴットが演じたロイスは、ジャーナリストとしての顔と、思いがけず恋に落ちたときに出る可愛らしさやお茶目さとのバランスが絶妙で大好きでした。彼女とクリストファー(・リーヴ/スーパーマン役)のやり取りは笑える場面も多くて、今観ても時代を超えて魅力的です。特に、あの二面性をうまく共存させていた点にすごく影響を受けました。どちらかに偏ることなく、両方を同じくらい重視していたんです。私も今回の映画では、そのバランスを見つけることを意識して演じました」
そんなブロズナハンは、役づくりのため実際のジャーナリストたちに取材を敢行。彼らの服装から癖、取材に対する姿勢など、あらゆる部分からヒントを得て、それらをロイス・レインに反映させている。
「ビジュアル面は、いろいろな人の要素を組み合わせました。ロイスはテレビのニュースキャスターではないので、フォーマルすぎない方がいいと思いました。ニュース番組では、スーツやジャケットを着る人が多くて、やや堅い印象ですよね。私がリサーチした限りでは、今の紙媒体の記者たちはもう少しカジュアルな装いをしている人が多かったんです。ファッショナブルで、その人らしさがにじみ出るようなスタイル。衣装デザインのジュディアナ(・マコフスキー)やジェームズとは、『ロイスがメトロポリスで働く記者だったらどんな服装をするだろう?』と何度も話し合って、今のスタイルに辿り着きました」
また、ブロズナハンはリサーチする中で、とある記者の言葉にとても感銘を受けたという。「その人は、自分の仕事で世界にインパクトを与えたいという想いと同時に、ある種“中毒的”に仕事に取り組んでいると話してくれたんです。人間の極端な状況に好奇心を持っていて、『渦中に飛び込み、対象となる人物を深く掘り下げたい』とも語っていました。彼女の情熱と仕事への執着心がとても印象に残っています。ロイスは特定の人物をモデルにしたわけではありませんが、『真実を追い求める記者』というロイス像には、このインスピレーションが活かされています」
ロイス・レインは「いつの時代も『誰に対しても臆せずに立ち向かえる』人物」と表現したブロズナハン。「ジェームズは、特にその一面をしっかり描いてくれました。彼女は大切に思う人や物事のためなら、何にでも立ち向かう強さを持っているんです」(編集部・倉本拓弥)


