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新『スーパーマン』レックス・ルーサー誕生秘話 オリジン描かない物語、キャラ設定は“逆算”で肉付け

『スーパーマン』ニコラス・ホルトが演じたレックス・ルーサー
『スーパーマン』ニコラス・ホルトが演じたレックス・ルーサー - (C) & TM DC (C) 2025 WBEI

 DC新作映画『スーパーマン』(全国公開中)で悪役レックス・ルーサーを演じたニコラス・ホルトがインタビューに応じ、新たに映像化されたレックスのキャラクター造形、ジェームズ・ガン監督が率いる新生DCユニバースでの挑戦について語った。

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 レックス・ルーサーは、スーパーマン(デヴィッド・コレンスウェット)を地球にとっての脅威と考えている天才科学者。巨大企業「レックス・コープ」の経営者でもあり、最高の頭脳と尽きることのない富によって数々の兵器を開発し、強力な仲間たちを従え、スーパーマンを精神的・肉体的に追いつめる。

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 ガン監督は、公開前からスーパーマンたちのオリジンストーリーを描かないと明言していた。主人公クラーク・ケントは、すでにヒーロー活動3年目のスーパーマンで、レックスはすでに彼をひどく憎んでいる。

 「今回の映画の面白さのひとつは『この物語が始まる前、レックスはどこにいたのか?』という点なんだ」とキャラクターの背景に注目したニコラスは、映画で描かれることはないレックスの過去をガン監督と密に話し合いながら、彼の性格などを構築していったと語る。

 「本作で観客は、すでにレックス・ルーサーという人物が存在している世界に放り込まれる形になる。だからこそ、彼がどうして今のような性格や感情を持つに至ったのかを、過去の出来事を少しずつ逆算しながら探っていくことがすごく面白かった。コミックの要素に加えて、ジェームズ自身の想像や解釈、創造したバックストーリーなども取り入れて、それらを少しずつ組み合わせながら演じていくプロセスがとても魅力的だった」

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 レックスに限らず、ニコラスは「キャラクターの生い立ちや、言動の根源あるものを理解しようとすること」を常に心がけて演技しているという。ガン監督が描くレックスの主張や視点には「共感できるかもしれない」と思える部分があったといい、「レックスというキャラクターがとても立体的に描かれていて『こういう人だ』と一言で片づけられるような存在じゃない。そこがまさに、ジェームズの脚本の素晴らしいところでもある」と補足した。

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 「彼の描くキャラクターたちは、シリアスで緊張感がありつつも、どこかダイナミックで遊び心があって、とても魅力的なんだ。演じるシーンも型にはまらないような構成になっていて、そこがまた面白くて、演じる側としてもすごく挑戦しがいがあった」

 自身が演じたレックスは、「ある意味で自分自身を“人道主義者”だと考えているところがある」とニコラス。人類の進歩のためには一切妥協せず、自らを「ヒーロー、救世主、あるいは神のような存在」とまで捉えている節があると語る。

 「彼の中には『自分こそが称賛され、崇められるべき存在だ』という強い思いがあって、でも現実にはそのポジションをスーパーマンに取られてしまっているように見える。それゆえに、レックスはスーパーマンに対して『本来自分が受けるはずだった称賛を奪われた』と感じていて、どこか裏切られたような感情を抱いていると思う」

 またニコラスは、レックスに「機関車」のようなイメージがあると表現する。「強烈な推進力で、決められたレールの上を突き進んでいくような存在。もう誰にも止められない列車みたいだ。彼の中にある信念や欲望が、そのまま原動力になっている」

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 新DCユニバースの幕が上がり、ニコラスもレックス・ルーサーとしてDCの新たな歴史に名を刻むことになった。『スーパーマン』での演技でさらなる飛躍も期待されるが、「出演したことで得られる“結果”については、あまり深く考えないんだ」とニコラスは冷静だ。

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 「それよりも、『なぜやりたいと思ったのか』『実際にやってみてどうだったか』といった経験そのものを大切にしているんだ」とニコラスは続ける。「私はずっと、ジェームズ・ガンと一緒に仕事をしてみたかったんだ。彼の映画には素晴らしい世界観と、ユニークなキャラクター達がいて、観るたびに惹き込まれる。そんな彼がスーパーマンというキャラクター、そしてその世界を描くと知ったときは、本当にワクワクしたよ。だから、ジェームズと(DCスタジオ共同CEOの)ピーター・サフランがDCで築こうとしている新しい世界の一部になれることは、自分にとって非常に魅力的だったし、ぜひ挑戦してみたいと思ったんだ」

 ニコラスにとって、大好きな監督の演出スタイル、他の俳優の演技の引き出し方などを学べる撮影現場は「すごく刺激になる」と笑顔で。「台本にあるセリフを読んで、『ああ、こういうリズムなんだな』『こういう空気感を目指してるんだな』と理解していく過程も面白い。そして実際に撮影現場に入って、監督がクルーやスタッフとどう関わっているのかを見て、彼らがどのように作品を形にしているのか、より深く理解できる。私は演じることが大好きだが、それと同じくらい映画そのものが好きなんだ。どうやって映画が作られているのか、それが人にどう響くのか、そういったことを知るのがすごく面白い。私は、キャリアへの影響というよりも、この経験が自分にとって、どれだけ有意義なのかを重視している。この映画の“最高の結果”は、観客が映画を楽しんでくれることなんだ」(編集部・倉本拓弥)

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