「べらぼう」意次がついに黒幕と対峙!一瞬の“殺意”話題

横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の27日放送・第28回では田沼意知(宮沢氷魚)の身の上に起きた突然の悲劇を受け、蔦重(横浜流星)、意知の恋人だった誰袖花魁(福原遥)、父・意次(渡辺謙)らがそれぞれ仇討ちに臨む展開に。なかでも、意次が事件の“黒幕”とみられる人物に一瞬の殺意を見せるシーンが注目を浴びた(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。
待ちに待った2週間ぶりの放送であったものの、前回のラストは番士の佐野政言(矢本悠馬)が意知に刀を抜いた瞬間で幕を閉じ、ついに訪れた“その日”にネットでは悲しみの声であふれた。佐野に斬られた意知は即死ではなかったものの、父・意次が見守るなか絶命。一方、愛する人を失い笑顔が消えた誰袖のため、蔦重は自分なりの仇討ちの方法を模索する。
お互いに仕組まれたことと知らずに散っていった意知と佐野。事件の黒幕と見られているのが反田沼の一橋治済(生田斗真)。次期将軍として将来を期待されていた徳川家基(奥智哉)、老中首座の松平武元(石坂浩二)、そして平賀源内(安田顕)の暗殺への関与も疑われていたが、この時には意次は犯人を突き止めようとしなかった。
意知の訃報を受けた際には「死んでしもうたか」「まこと、人の恨みをかうとは恐ろしい事じゃ。主殿少し天狗になっておったのかもしれんのう」とのんきに言い放った治済。意知の死に対して田沼意致(宮尾俊太郎)に「主殿は放っておいても老い先そう長くはない。嫡男をなきものとすることこそ田沼の勢いを真にそぐことになる」「そう考えたのかもしれぬなあ、佐野は」と“自白”ともとれる言葉をはきながらカステラをむしゃむしゃ食す姿には「お前だよ、お前!」「怖い…」とSNSで怒りの声が寄せられていたが、後の場面では余裕をかましている治済に、意次が一矢報いることに。
意次と顔を合わせた治済は、「ああ~主殿!なんと痛ましい姿に」と“お悔やみ”の言葉をかけるが、意次は笑いながら「然様にございますか?」「それがし、亡き右近将監様のような貫禄が出てきたものかとなかなか気に入っているのでございますが」と抗弁。治済が「強がらずともよい。掌中の珠のような子息を失い、さぞ…」と言いかけると、意次はさえぎって「何も失うてはございませぬ」とピシャリ。「もう二度と毒にも刃にも倒せぬ者となったのでございます。志という名のもとに」「志は無敵にございます。己が体を失うても生き続ける。今は私の中に。私が体を失うても誰かの中で生き続ける」と言い、去るそぶりを見せるとおもむろに治済に近づき「それがしには“やらなければならぬこと”が山のようにございますゆえ」とささやいた。
「もう二度と毒にも刃にも」には治済が裏で糸を引いた事件を彷彿させるもので、意次の宣戦布告ともとれる言葉の数々に「カッコイイよ田沼様!」「意次様お強い」「一橋への宣戦布告」「知っているよと圧」「ゾクッとした」「一瞬の殺気よ」と心を動かされる視聴者が続出した。
一方で、治済の手足となって暗躍していると思われるのが、平賀源内の悲劇に関与が疑われる男(矢野聖人)。前回では佐野が意知に殺意を抱くよう仕向けていたが、第28回では意知の葬列の際、大工のいで立ちで現れると生活苦にあえぐ人々をたきつけ、意知の棺桶や意次に石を投げた。また、ある時は浪人のいで立ちで佐野が埋葬された寺に「佐野世直し大明神墓所」ののぼりを立てることで人々に田沼を悪、佐野を善と刷り込み。巧妙な罠を仕掛ける様に「うわ、出たこの男」「またアイツや…」「また出た!」「お前!」「暗躍しすぎ」「死者に鞭打つとは」と戦慄の声が上がっていたが、ついに蔦重が男の存在を認識し「裏で糸を引いている者がいる」と推測。
男はかつて丈右衛門と名乗り、今も「丈右衛門だった男」とクレジットされている。(石川友里恵)


