仲野太賀、父・中野英雄と初の本格共演 「二人でお酒を飲むのも初めて」

俳優の仲野太賀が8日、都内で行われたNHKスペシャル終戦80年ドラマ「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」(NHK総合、前・後編で8月16・17日各21時~)の出演者会見に出席。本作で共演した父・中野英雄との撮影を振り返り、人生で初めて親子でお酒を飲んだことを明かした。
【画像】父・中野英雄と共演「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」場面写真
本作は猪瀬直樹のノンフィクション「昭和16年夏の敗戦」を原案に、真珠湾攻撃の8ヵ月前に設置された首相直属の“総力戦研究所”に集う日本の若きエリートたちの姿を描く戦争ドラマ。会見には、主人公で産業組合中央金庫(現・農林中金)調査課長・宇治田洋一を演じる池松壮亮、陸軍少佐・高城源一役の中村蒼、制作統括の新延明、家冨未央も出席した。
仲野は主人公・宇治田(池松壮亮)と同じ民間出身で、研究所に所属する同盟通信社政治部記者・樺島茂雄を演じる。父・中野は陸軍少将の武藤章を演じ、劇中で対峙する設定だ。仲野は父との共演について聞かれると、「最初、共演するって聞いた時に、『まじか』と思った(笑)」とぶっちゃけて場を和ませる。
父との直接的な共演は初めてだったと明かし、「なかなか今まで縁がなかったというか……。それでも以前、(本作でもメガホンをとる)石井(裕也)監督の作品の中で、別々のシーンだけど同じ作品で共存しているという経験はあったんです。でも、今回のように同じシーンで共存するというのは初めてで、不思議な気持ちになりました」と話す。
仲野は実際の撮影時の様子も紹介し、「いざ撮影の日になって、『仲野さんはここに座ってください』『中野さんはここに座ってください』って、配置された場所もまさに真正面で、これは何かのいたずらかなって」と回顧し、「でも、個人的には(共演できて)嬉しかったです」と笑顔を見せる。
仲野は「こういう機会をいただけて、それが石井監督の作品で、感慨深い気持ちになりました」としみじみと述べ、「人生で初めて父と撮影の前日に二人で飲みに行きました。二人でお酒を飲むのも初めてだったので、まさかこんなところでこんなタイミングで、そういう心の通わせがあるとは思わず……。何を話したかは覚えていないですけど、ただただ楽しかったという記憶があります」と、撮影前の父とのエピソードも紹介。
これまで父と直接的な共演がなかったことについては、避けていたのかと問われるとと、「これまであえて避けていたということはなかった」と回答。「でも、『せっかく共演するんだったら、お互いが納得できるような形がいいよね』とぼんやり話してはいました。今回、この作品で共演が叶ったことをとても嬉しく思います」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)


