性的シーンを19歳の女優に知らせず強行撮影…問題作『ラストタンゴ・イン・パリ』の裏側描いた本編映像が公開

19歳で出演した映画『ラストタンゴ・イン・パリ』で人生が大きく変わってしまった女優マリア・シュナイダーの実話を基にした『タンゴの後で』から、最も問題となったシーンのリハーサル風景を描く本編映像が公開された。
【画像】酷すぎる…『ラストタンゴ・イン・パリ』の制作の裏側描いた『タンゴの後で』
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』は、パリにあるアパートの一室で出会った中年男(マーロン・ブランド)と若い女(マリア)が、情欲に身を任せていくさまを描いた問題作。“性の解放”をテーマにした物語や性描写が話題になっただけでなく、監督のベルナルド・ベルトルッチがマリアに事前に性的シーンの内容を知らせず、マーロンと強行撮影したことが後に明らかになり大変な物議を醸した。
今回公開されたのは、その問題のシーンのリハーサル風景だ。「アクション」の合図で部屋に入ってきたジャンヌ役のマリア(アナマリア・ヴァルトロメイ)は脚本通りにセリフを発し、相手役のブランド(マット・ディロン)からの挑発的な言葉やセクシャルな接触を力強くはねのけ、部屋を出ていく。しかし「完璧だ! 照明を変えて撮ろう」というベルトルッチ(ジュゼッペ・マッジョ)の顔には、企みの黒い影が浮かんでいた。
この映像に続いて描かれる本番のシーンでは、マリアの不意を突くようにブランドが力づくで彼女を押し倒し、驚きと恐怖で泣き叫ぶマリアを誰一人意に介すことなく撮影が続行されることになる。『タンゴの後で』のメガホンを取ったジェシカ・パルー監督は、「マリアの視点だけに焦点を当て、彼女が経験したことを観客に感じてもらうことを重視した」と語っており、マリアが撮影現場で受けた屈辱と冷淡な視線は、見る者に忘れられない衝撃を与える。(編集部・市川遥)
映画『タンゴの後で』は9月5日よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国公開


