A24実写版「DEATH STRANDING」同じ世界観の新たなストーリーに 小島秀夫も期待

ゲームクリエイター・小島秀夫監督が率いる「コジマプロダクション」の創立10周年を記念したイベント「Beyond The Strand」が、23日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、スタジオA24が手掛ける、小島監督の人気ゲーム「DEATH STRANDING」実写映画版の最新情報が明かされた。この日は、監督のマイケル・サルノスキと、A24の製作・買付部門の共同代表を務めるサム・ハンソンも登壇した。
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「DEATH STRANDING」は、謎の現象「デス・ストランディング」によって分断された大陸を舞台に、伝説の配達人サム・ポーター・ブリッジズが、人々に荷物を配達しながら、分断された大陸をつないでいくゲーム。サム役のノーマン・リーダスをはじめ、世界的な豪華キャストの出演も話題を呼び、今年6月に続編「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」が発売された。
実写映画版は、『ミッドサマー』『シビル・ウォー』などで知られる気鋭の映画製作・配給会社A24とコジプロが共同で製作。監督・脚本は『PIG/ピッグ』『クワイエット・プレイス:DAY 1』のマイケル・サルノスキが担当する。
A24の大ファンでもある小島監督は、「世界一クリエイターを大切にして、意見を尊重してくれるA24とやりたかった。(映画化にあたって)僕の条件は、脚本と監督ができる人(に任せたい)。ビジュアル面も含めて、VFXもできる方がいいので、そういう人を探していて、僕も大ファンのマイケルさんに当たったというところです」と説明する。
さらに小島監督は「『PIG/ピッグ』が大好きな映画で、それでマイケルさんを知ったんですけど、『クワイエット・プレイス』の3作目を作ると聞いて、あんな大ヒット作の3作目ができるのかな、とだいぶ心配していたんです。しかし、そちらも『クワイエット・プレイス』の世界観を重視しながらマイケルさんの思考というか、アートの世界が描かれていたので、これは(デスストを)お願いしたいなと」とサルノスキ監督の才能を絶賛した。
サルノスキ監督は「このような大きなプロジェクトに携わることにかなり緊張していたのですが、小島さんとA24とお会いして、かなりの自由度を与えてもらえたことで安心しました。小島さんは真のアーティストで、他のアーティストを支援したいといってこの機会を与えてくださった。本当に光栄に思っています」と感謝。
気になる実写映画の方向性については「ゲームの魂をなんとか伝えられないか。この世界観のなかでまだ見ていないキャラクター、まだ会っていないストーリーを伝えられないかと考えています。素晴らしいロケーション、ニュアンスを含んだ素晴らしいキャラクターを、マクロの面からもミクロの面からもさまざまな形で伝えられたらと考えています」と発言。
さらに「同じ世界であっても、何かこれまでに見たことのないようなストーリーを見出そうとしています。ゲームを一度もプレイしたことがない人にわかりやすく、同時によく知っている人にとっても新しい何かを与えられるもの。ゲームの世界観とつながりながら、独立した作品としても成立した、人間的なストーリーを届けられたらと思っています」と語った。
その言葉を受けた小島監督は「70時間、80時間、100時間でストーリーが流れるゲームを2時間の映画にしても仕方がないので、あの世界観を使った別の『DEATH STRANDING』というか。けっこう重要な役割になるので、脚本も監督もできるマイケルさんにお願いしました。僕が入ると細かいところまでいちゃもんをつけるので(笑)。なるべく、3歩ぐらい引いて彼を見守ろうという、そういうスタンスです。彼なら大丈夫だと思います」と期待をかけていた。(編集部・入倉功一)


