『トロン』映像革命がクリエイターに与えた影響 カズレーザー分析「ハードルを上げている」

お笑い芸人のカズレーザーが29日、TOKYO NODE HALLで行われた映画『トロン:アレス』(10月10日日米同時公開)の東京侵食ナイトに、スギちゃんと共に出席。1982年に製作された『トロン』を含むシリーズが、クリエイターたちに大きな影響を与えていることに言及した。
本作は、人間がデジタルの世界に挑む様子を描いた『トロン』シリーズの最新作。人間の世界を知った最強のAI兵士・アレスは圧倒的な力とスピード、高度な知能を持ち、何度でも再生可能な能力を持っていた。しかし、現実世界で人間を知ったことにより、彼にある異変が起きる。やがて、制御不能となったAIたちが暴走し、デジタル世界が現実世界を侵食し始める。
この日は東京がデジタルに侵食され、トロンレッドに飲み込まれてしまう……という演出のなか、赤いスーツがトレードマークのカズレーザーが登場する。その演出を見たカズレーザーは「真っ赤ってちょっと危険な匂いがするのですが、意外としっくりきましたね」と満足げな表情を浮かべる。
劇中のモチーフとなるAIについて、カズレーザーは「だいぶ身近になって久しいですよね」と人々の日常にAIが入り込んできていることに言及し、「新しいけれど遠すぎない未来の形って、どういう風に描くのだろうという答えになっている作品になっているのかも」と新作への期待を寄せていた。
1982年に公開された『トロン』は、世界で初めて本格的なCGを取り入れた長編映画と言われている。ジョン・ラセター監督も「『トロン』がなければ『トイ・ストーリー』は生まれなかった」と発言していたことを司会者が述べると、カズレーザーは「すごいですよね。82年の段階でCGを使って映画を作ることも驚くべきことですが、そこから『フルCGまで行けるんだ』という発想になるのがすごい。夢もあるし、その行動力がすごい」と映像革命を起こした製作陣を称えていた。
そんな『トロン』シリーズに、カズレーザーは「結構な人数の未来のイメージを作ってしまった気がします」と『トロン』が、その後のクリエイターたちに大きな影響を与えた作品であることを強調すると「何か表現をした際に、これは『トロン』ぽくなっちゃう。違う未来を描かないといけないねって、ハードルを上げている存在になっていますよね」と分析していた。(磯部正和)


