朝ドラ「ばけばけ」ヒロイン夫役は?「SHOGUN 将軍」司祭役で話題の英国俳優

29日に初回を迎える連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。同作のヒロイン・松野トキ(高石あかり、高=はしごだか)の夫・ヘブンを演じるのは、イギリス出身の俳優トミー・バストウだ。1767人(国内246人、海外1,521人)のオーディション応募者の中から選ばれたバストウは、これまでどのようなキャリアを歩んできたのか。
朝ドラ113作目の「ばけばけ」(全25週125回/大阪制作)は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫で作家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルとしたオリジナル作品。島根や熊本などを舞台に、怪談を愛する夫婦の物語をフィクションとして描く。
トミーは、1991年8月26日生まれ。俳優業を始める前に4人組ロックバンド「FranKo」を結成し、リードボーカルとして現在も音楽活動を続けている。トミー以外のメンバーも世界各地で精力的に活動しており、ギタリスト兼プロデューサーのリチャード・クレイカーは、リアム・ギャラガーら大物アーティストの楽曲制作に携わっている。
2008年にイギリスで俳優としてのキャリアをスタートさせると、同年公開の青春コメディー『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日』でメジャー作品に初出演。トミーは、アーロン・ジョンソン演じるロビーの友人・デイヴを演じた。
その後も、「ロビン・フッド」「ザ・カット(原題) / The Cut」といったイギリスのドラマにゲスト出演したトミー。2018年からは、アメリカに活動拠点を拡大し、SFドラマ「THE CROSSING/未来からの漂流者」(2018)やアクション映画『ネバー・バックダウン/自由への反乱』(2021)など幅広いジャンルの作品を経験した。
そして、トミーの名前が日本で広く知られるきっかけになったのが、真田広之が主演&プロデューサーを務めたハリウッドドラマ「SHOGUN 将軍」(2024)だ。エミー賞を席巻した同作で、トミーは心優しきポルトガル人司祭のマルティン・アルヴィトにふんし、ヒロイン・戸田鞠子(アンナ・サワイ)や日本に漂着した英国人航海士・按針/ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)の物語に深く関わる人物として、存在感を発揮した。幼少期に日本に派遣された熟練した通訳者ということもあり、劇中では流暢な日本語を披露している。
日本語を10年以上勉強しているトミーは、日本語学習について「残念ながら近道はありません。ただ頑張るしかないんです。続けていれば日本語を話せるようになります」とストイックな考えをInstagramで明かしている。昨年11月に行われた公開発表会見の場では、「モデルの小泉八雲を演じることは大きなチャレンジ。日本や冒険が好きだったり繊細だったりするところはハーンと似ていますが、全然違うところもあります。自分の人生や経験と合わせてハーンのエッセンスをヘブンとして、うそ偽りなく演技で伝えたいと思います。精いっぱい頑張ります」と作品について意気込んでおり、初の朝ドラでさらなる飛躍が期待される。(編集部・倉本拓弥)


