同じ場所で30年にわたり続いた性的暴行…衝撃の事件がドラマ化、NHK BSで放送

海外ドラマ「サンブル川の事件 なぜ凶悪犯罪は見逃されたのか」が NHK BS で11月5日よる11時35分から毎週水曜に放送されることが決まった(全6回)。フランスで2018年に逮捕された犯人は、フランスとベルギーの国境付近のサンブル川のほとりで30年に渡って性的暴行を続けていた。なぜ、この凶悪な犯罪が長年見逃されていたのか。実在の事件をもとに大きな問題を投げかける衝撃の社会派ドラマとなっている。
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1988年秋。30代の女性クリスティーヌは、夜明けにサンブル川のほとりで目覚めた。服は乱れ、首や顔には暴行のあとが残っていた。大きなショックを受けながら警察に行ったクリスティーヌは、早朝の出勤途中に背後から男に襲われ、川のほうに連れていかれた後、気を失っていたことを伝えるが、警察は事務的な対応で強盗未遂として処理するだけだった。その後、サンブル川沿いの同じ道で女性が性的暴行の被害に遭う事件が何件も発生する。犯行はすべて早朝に同様の手口で行われていた。だが、警察は事件を重要視せず、類似事件として結びつけることもなかった。時は経ち、1996年秋。被害者が告訴した1件を担当することになった予審判事は、連続事件の可能性に気付くが……。
犯人のモデルとなったのは、2022年に56件の罪で起訴され、54件の有罪判決が下った“サンブル川のレイプ犯”だ。本作はエピソードごとに被害者、判事、市長、科学者、警視、犯人という立場の異なる人物にスポットを当てることで、被害者たちに残された深い傷や、性暴力事件に対する無理解、社会に根づく性差別、不平等など、司法、社会の問題を浮き彫りにしていく。
演出、共同脚本は、映画『日曜日の殺人事件』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したジャン・グザヴィエ・ド・レストラード。『息子のまなざし』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したオリヴィエ・グルメをはじめ、ドラマ「6人の女 ワケアリなわたしたち」のアリックス・ポワソン、『ハリー・ポッター』シリーズのクレマンス・ポエジーら実力派が集っている。(編集部・市川遥)


