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「ばけばけ」寛一郎、起用の裏側 トキのお見合い相手「愛されるキャラクターに」制作統括&演出の狙い

寛一郎ふんする山根銀二郎 - 朝ドラ「ばけばけ」第10回より
寛一郎ふんする山根銀二郎 - 朝ドラ「ばけばけ」第10回より - (C) NHK

 高石あかり(高=はしごだか)が主演を務める連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、ヒロイン・トキのお見合い相手・山根銀二郎を演じる寛一郎。初登場となった第9回から存在感を放つ寛一郎について、制作統括の橋爪國臣チーフ・プロデューサーと演出の村橋直樹が、キャラクターの人物像や魅力について語った。(以下、第10回までの内容を含みます)

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 連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツがモデルの主人公・松野トキの人生を描くオリジナルストーリー。西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本を舞台に、「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。

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 鳥取県因幡の貧窮足軽の次男として生まれた銀二郎は、厳格な父のしつけの元で時代が変わっても武士の生き方を貫いていた、一本気で、純粋な性格の持ち主。橋爪は「トキちゃんと一度結婚をする役です。先々の話でいうと、トキは外国人英語教師のヘブン先生と結婚するわけなので、どこかで別れがあるんです」と設定を紹介する。

 別れがあるものの、銀二郎を決してヒールなポジションには起きたくなかったようで、橋爪は「銀二郎は、トキちゃんに素敵な生活をしていてほしいと思っているんです。決して嫌な男ではなくて、いろいろとあったけど、それはそれで素敵な人生だったよねと思えるようにしたい。銀二郎は実直な男、寛一郎さんが演じれば、きっとみんなから愛されるキャラクターになっていくだろうなと思い、お願いをしました」と起用へのこだわりを語った。

 また橋爪は、「嫌味のない芝居を高石さんと一緒にできる方、高石さんと一緒にやっていける方ということで、寛一郎さんを選びました。視聴者が彼のことを好きになれるようにしたいという中で、寛一郎さんにお願いして本当によかったです。実際、彼の演技を見ると、銀二郎のことが好きになると思います。(今後)銀二郎ファンがいっぱいできると思います」と寛一郎ふんする銀二郎に期待を寄せた。

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 村橋も演出の立場から、銀二郎についてのこだわりや思いを述べる。「時代劇に出てくる人は現代の人から見ると、ある種異常だと思うんです。現代の人は子供の頃から、いろいろな情報を元に取捨取得をして生きているのですが、昔の時代劇に出てくる人は選択肢のない世界に生きているので、現代の感覚で見ると、まっすぐだし、純朴に映ります。それを現代人で表現できる人は本当に少ない」と役者選びが重要だったことを強調する。

 村橋は「寛一郎さんに関しては、本当にあの時代の人なのではないかと思わせる雰囲気を持っているんです。平安時代でも奈良時代でも戦国時代でも、『この時代の人なんだ』と思えるような、まっすぐさ、純朴さ、汚れていない感じがあります。それが壊れないように、現場は余計な演出をしないようにしています。(雨清水三之丞役の)板垣李光人さんに関しても同じですが、何も言わずに彼のお芝居を見ています。彼の個性を大事にしたいからです」と演出面へのこだわりを明かしていた。(取材・文:名鹿祥史)

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