リドリー・スコット、最近の映画のほとんどは「クソ」 そのため自身の過去作の再鑑賞を始める

映画『エイリアン』『ブレードランナー』などの名匠リドリー・スコット監督(87)が英国映画協会のトークイベントに出席し、最近の映画について、そのほとんどは「クソ」だと一刀両断にした。Metroなどが報じた。
【画像】スコット監督が自画自賛した『ブラックホーク・ダウン』
ストリーミング時代である現在、発表される映画の本数が増大していることに話が及ぶと、スコット監督は「今日作られている映画の量は、世界で何百万本にも及ぶ。何千じゃない、何百万だ……そしてそのほとんどはクソだ」とばっさり。ただし「クソじゃないのは40%くらい。そのうち25%は悪くなく、10%は結構良くて、そして5%は素晴らしい」といい映画もあるにはあると語る。
良くない映画が増えている理由については、ちゃんとした脚本なしで、お金をかけたデジタルエフェクトで取り繕えるようになったからだと考えているよう。そんな現状の慰めのため、何度も観たくなる映画はあるかと聞かれたスコット監督は「われわれは凡庸なものに溺れてしまっていると思っていて、実際、ちょうど今、わたしはあることをやっている。ひどいことだが……。つまり、自分の過去作を見始めたんだ。そして、それらは結構いいんだよ! 全然古くなっていない」と自画自賛。
「この間の夜、『ブラックホーク・ダウン』(2001)を観たのだが、『わたしは一体全体どうやってこんな映画を作れたんだろう?』と思ったよ」と続けるも、「まあとにかく、たまにはいい映画も作られると思う。まだいい映画を作っている人がいるということには、ホッとするね」と映画界はお先真っ暗というわけでもないと語っていた。
80代になった今も『最後の決闘裁判』『ハウス・オブ・グッチ』『ナポレオン』『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』などすさまじいペースで映画を作り続けているスコット監督は、今年もジェイコブ・エローディが主演を務めるスリラー『ザ・ドッグ・スターズ(原題) / The Dog Stars』も撮り終えたばかり。引退の予定はないと言い切って、観客の喝采を浴びた。(編集部・市川遥)


