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ティルダ・スウィントン主演、終末後の世界描くミュージカル『THE END』12月日本公開

『THE END(ジ・エンド)』メインビジュアル
『THE END(ジ・エンド)』メインビジュアル - (C) Felix Dickinson courtesy NEON (C)courtesy NEON

 ティルダ・スウィントンが、主演・プロデューサーを務める映画『THE END(ジ・エンド)』が、12月12日に日本で公開されることが決定し、メインビジュアルが解禁された。

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 本作は、インドネシアの大量虐殺を加害者視点で描いた『アクト・オブ・キリング』と、同事件を被害者視点で描いた『ルック・オブ・サイレンス』で世界的に注目されたジョシュア・オッペンハイマー監督初の長編フィクションであり、終末後の世界を舞台にした異色のミュージカル作品だ。ティルダに加え、ジョージ・マッケイマイケル・シャノンといった実力派キャストが集結し、劇中で美しい歌声を披露する。

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 物語の舞台は、環境破壊により地球が居住不可能となってから25年後の世界。豪華な地下シェルターで暮らす富裕層の家族のもとに、ある日、外の世界から一人の若い女性が現れ、彼らの日常が静かに崩壊し始める。公開されたメインビジュアルは、母親(ティルダ)が優雅に鎮座する周囲に、父親、息子、執事、医者といった“家族”の姿が描かれている。地下シェルターらしからぬ豪奢な内装や、ちぐはぐな衣装、そして交わることのないそれぞれの視線が、彼らが暮らすいびつな世界を浮き彫りにしている。

 オッペンハイマー監督は当初、前作に続き「虐殺を通じて権力と富を独占する支配層についてインドネシアで三作目の映画」を撮りたいと考えていたと明かした。しかし、『アクト・オブ・キリング』公開後、安全上の理由でインドネシアに戻ることができなくなってしまった。そこで、同様の手法で富を得る他の地域の支配層について調査し、中央アジアで石油権益のために暴力を行使した石油王と出会い、その石油王が家族のために購入した防空壕に案内された。監督はその場所で「どうやって脱出するのか?」「逃れるべき罪悪感や大惨事とどう向き合うのか?」などさまざまな疑問が頭をよぎったが、彼ら自身をよく知らないことに加え、防空壕という発想そのものが現実逃避の象徴であり、「彼自身答えられないだろう」と悟り、ドキュメンタリー制作を断念した。

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 最終的に、帰路で観たジャック・ドゥミのミュージカル映画『シェルブールの雨傘』をきっかけに、25年後の地下シェルターで暮らすアメリカ人家族をミュージカルとして描くことを考え、「アメリカ的本質を象徴する“絶望的否認と希望”を抱えた家族像を描こう」と決意したと語っている。

 映画『THE END(ジ・エンド)』は、12月12日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかで全国公開される。(加賀美光希)

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