性が消えゆく世界…蒔田彩珠、衝撃作の映画化「ゾクッとするような怖さ感じた」

俳優の蒔田彩珠が20日、都内で行われた映画『消滅世界』(11月28日公開)完成披露上映会に出席。映画の内容に絡めて「この世から消滅してほしくないもの」を聞かれた蒔田は、「愛」と答えて「たくさんの人の愛があって、私は今ここに立てていると思います」と笑顔を見せた。
芥川賞作家・村田沙耶香の衝撃作を実写映画化した本作は、人工授精によって子供が生まれ、“性”が消えゆく世界を舞台に、恋愛や結婚や家族のありように翻弄(ほんろう)される若者たちを描く。この日は、蒔田のほか、共演者の柳俊太郎、恒松裕里、結木滉星、メガホンを取った川村誠監督も登壇した。
緊張の面持ちで登壇した蒔田は、マイクを渡されると「こんにちわ!」と元気よくあいさつ。緊張気味の登壇者を奮い立たせる目的で、登壇後、元気よく全員で挨拶をしようと打ち合わせをしていたようで、他の出演者も蒔田に続き、それぞれ元気いっぱいの挨拶で客席を湧かせた。
蒔田は本作について「脚本をいただいた時も、撮影中もそうですけど、この物語がどうやって映像になって、何を伝えられるか、とても不安ではありました。皆さんがどう受け取るか楽しみでもありますし、緊張もします」と話し、「フィクションではあると思うんですけど、読み進めていくと、割と近い将来の話を読んでいるような、だからこそ、ゾクッとするような怖さも感じました。完全なSFではないなと思いました」と感想を述べる。
親友役の恒松とは、過去に連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)で共演しており、撮影中も息ピッタリだった様子。恒松は「今回親友役ということで安心感がありました。台本を読み合わせするとき、蒔田さんと私の鞄がたまたま同じで、マインドがあっている、これで親友役ができると思いました」と話すなど、舞台挨拶中も随所で息のあった掛け合いを見せた。
蒔田はまた、夫役を務めた柳との共演についても「年齢が10歳くらい違う。やっぱり大人だなと思いました。すごく落ち着いていて安心できる雰囲気があり、あまり緊張せずにお芝居ができました」と述べ、長身のルックスを「まずこのスタイル、身長、かっこいいなと思いました」と絶賛し、柳を照れさせていた。(取材・文:名鹿祥史)


