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『メガロポリス』大赤字で「文無し」になったコッポラ監督、腕時計コレクションを売却

フランシス・フォード・コッポラ監督 - 第77回カンヌ国際映画祭にて
フランシス・フォード・コッポラ監督 - 第77回カンヌ国際映画祭にて - Rocco Spaziani / Archivio Spaziani / Mondadori Portfolio via Getty Images

 巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督(86)が、1億2,000万ドル(約180億円)の私財を投じた映画『メガロポリス』が大赤字となったため、貴重な時計のコレクションを売却することになった。The New York Times などが報じた。(1ドル150円計算)

世紀の怪作『メガロポリス』フォトギャラリー

 コッポラ監督が構想40年を経て完成させた『メガロポリス』は、近未来のアメリカが舞台の哲学的なSFローマ叙事詩。自由に形を変える新たな建築素材を使い、ユートピアを作ることを目指す建築家シーザー(アダム・ドライヴァー)の姿を追う。

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 昨年5月に第77回カンヌ国際映画祭でお披露目となったが商業的な成功は難しそうだと配給会社を尻込みさせ、本国アメリカでの公開がなかなか決まらなかったことも話題に。実際、世界興行収入は1,438万7,154ドル(約22億円)と記録的な大赤字になってしまい、コッポラ監督は今年3月、「もうお金はない。借りたお金も全て『メガロポリス』を作るために使ってしまった」とポッドキャスト番組「Tetragrammaton」で文無しとなったことを認めていた。

 すでに『メガロポリス』制作のために二つのワイナリーを売却していたコッポラ監督は今回、自身の腕時計7点を手放すことを発表。12月6日にオークションサイト・フィリップスで売りに出される。目玉はスイスの高級時計ブランド・FPジュルヌとのコラボで自らデザインした、文字盤に黒い手があしらわれた腕時計だ。同時計は当時、限定生産されて、FPジュルヌの限られた顧客に100万ドル(約1億5,000万円)程度で売られたといい、オークションの最低落札金額も100万ドル程度からスタートするとみられている。

 そもそもFPジュルヌとのコラボ時計は保険料が高すぎて数回しか身に着けたことがなかったといい、今はそうした高級時計よりも「ずっと庶民的な」時計を身に着ける生活に戻ったそう。今使っているのは Apple Watch だ。

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 なお、コッポラ監督は巨額の私財の投入に関して後悔はないという。第77回カンヌ映画祭の公式会見では「わたしの子供たちは例外なく、わたしの財産がなくても素晴らしいキャリアがある。わたしたちは大丈夫」「お金は重要ではない」「普通、人は死ぬ前に『あれをやっておけばよかった。これをやっておけばよかった』と思うものだろうが、わたしが死ぬ時は『わたしは自分が作りたいと思った映画を全て作った』と自分がやったことを考えるのに忙しすぎて、死んだことにも気づかないだろうよ」と語っていた。(編集部・市川遥)

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