メガロポリス (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 2.5
巨匠の「意図」を想像しながら、壮麗なビジュアルに酔えれば◎
どのシーンを切り取っても壮麗で荘厳なビジュアルとして脳に刻印される。主人公が時間を止める瞬間は、そのビジュアルが静止し、絵画の世界に入り込んだ錯覚もおぼえる。古代ローマ帝国の崩壊を、現代のアメリカ民主主義国家の命運に重ねて描き、テーマ性も明確。
しかし、いかんせん語り口がまだるっこしい。ストーリーがあまり進まない時間も長く、作品の構成がうまく機能していない感。監督コッポラがどんな思いでこのシーンを演出し、登場人物のセリフ・心情で何を訴えたいのか、そこを模索しながら観れば喜びも増す。
『地獄の黙示録』のように公開時より後に評価が上がったコッポラ作もあるが、さすがに今の時代、その再現は難しそう。
見届けるというのが正しい姿勢かと
撮っても小さな作品だったり旧作の再編集の監修だけだったりすっかり映画とは距離を置いたものだと思っていたフランシス・フォード・コッポラ。しかししかし、私財を投げ売った本作は健在ぶりというか、狂気を垣間見せるというか、凄まじい映画になっていました。アメリカでは批評・興行両面で苦戦しましたが、コッポラはもはやそういったレベルで映画を作ってないということがよくわかりました。やはりこの監督に歯止めを利かせないととんでもないことになりますね。どのシーンも徹底的に凝られた映像美と、端々まで豪華なキャスト、とても贅沢な気持ちになります。





















