坂口健太郎、壮絶演技の一端『盤上の向日葵』父役・音尾琢真との過酷アクション 本編映像が公開
坂口健太郎主演で人気作家・柚月裕子の小説を映画化する『盤上の向日葵』(10月31日全国公開)から、坂口の壮絶な演技の一端を捉えた、音尾琢真との本編映像が公開された。
本作で坂口が演じるのは、山中で発見された白骨遺体の容疑者として浮かび上がる、謎に包まれた天才棋士・上条桂介。捜査の過程で桂介は、賭け将棋で裏社会に生きた男・東明重慶(とうみょう しげよし/渡辺謙)との関係が浮かび上がり、その壮絶にして過酷な生い立ちが明らかになっていく。
天才棋士として輝かしい活躍をみせる桂介だが、幼い頃から酒とギャンブルに溺れる父・上条庸一(音尾琢真)と極貧生活を送っていた。そんな闇に覆われた人生の中でも、唯一熱中していた将棋の才能を見抜き、親のような温かさで迎え入れた唐沢光一朗(小日向文世)や、桂介に静かな愛を注ぐ宮田奈津子(土屋太鳳)の存在によって、孤独な人生に光が差す。そして、賭け将棋の真剣師・重慶との出会いが桂介の人生にかつてない情熱と深い絶望をもたらすことになる。
公開された映像は、桂介が人生の中で最も苦しく、どん底に突き落とされる重要なシーン。桂介が用意した1,000万円を持って逃げる父・庸一を追うなか、ついには揉み合い乱闘に。生まれてから親らしいことを一つもしてこなかった庸一の首に手を掛ける桂介からは、汗や涙だけではなく、苦しみと悲しみという負の感情が、全身からあふれているかのよう。「それでも親か!」と桂介の怒号が響き渡り、このあと桂介は思いもよらぬ、自身のある“秘密”を知らされることになる……。

坂口は、必死につかんだ幸せを父親に踏みにじられる苦しみを熱演する。観客にとっても胸を締め付けられる本シーンについて「桂介として泣けてくる部分もあるし、桂介を可哀想だと思う自分の感情も乗っかるし、どちらの苦しさもありました」と撮影をふり返っている。坂口と音尾は、人が抱える“心の苦しさ”を、肉体的にも過酷なアクションシーンのなかで体現。ラブストーリーの繊細さが光る役柄とは打って変わって、壮絶な泥まみれの人生を生きるプロ棋士という新境地に挑戦した坂口の渾身の演技に、期待が高まる映像となっている。
監督・脚本は『隣人X -疑惑の彼女-』(2023)、『君に届け』(2010)などの熊澤尚人。キャストには坂口らに加え、佐々木蔵之介、高杉真宙、柄本明、渡辺いっけい、尾上右近、木村多江がそろう。(編集部・入倉功一)


