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倍賞千恵子、山田洋次監督の“映画作りの極意”を明かす「面白がらせてやろう」ではダメ

『TOKYOタクシー』を撮影中の山田洋次監督と倍賞千恵子
『TOKYOタクシー』を撮影中の山田洋次監督と倍賞千恵子

 山田洋次監督の91本目となる最新作『TOKYOタクシー』(11月21日公開)で主演を務める倍賞千恵子が、撮影現場で山田監督が語った“映画作りの極意”を明かしている。

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 本作は、謎めいた裕福なマダム・高野すみれ(倍賞)と娘の入学金や車検代に頭を悩ませるタクシー運転手・宇佐美浩二(木村)が、柴又から神奈川・葉山にある高齢者施設まで向かう“たった一日の旅”を描いたヒューマンドラマ。

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 山田組の常連俳優でもある倍賞は、今回が70作目の参加となった。そんな倍賞だが、本作の撮影中は「山田さんは、わざと変なことをやって人に面白いと思わせたり、誰かを泣かせようとするのではなく、『誰かが一生懸命やっている姿を見て人は感動したり、笑ったり泣いたりするんだ』という考えを教えてくれました」と山田監督のこだわりを知り、感銘を受けたという。

 撮影中の倍賞を支えたのは、もちろんタクシー運転士の浩二を演じた木村。2004年公開のスタジオジブリ映画『ハウルの動く城』でソフィー役とハウル役の声優として共演した二人は、20年以上の時を超え、本作で実写映画での共演が実現した。

 劇中で距離を縮めていくすみれと浩二と同様に、撮影を重ねるごとに親しくなっていったという倍賞と木村は、芝居に対するこだわりの強さも共通している。倍賞はクランクイン前から髪型のサンプルを送ったり衣装合わせに何度も足を運んだりし、木村もまた、浩二のセリフを提案して山田監督に採用されるなど、“三人四脚”で撮影が進められた。

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 しかし、そんな二人の提案が一度だけ山田監督によって即却下されたことがあったという。それは、すみれと浩二が警察官に「自分たちは叔母と甥っ子だ」とうそをつくシーンで、倍賞は木村と「言葉も訛らせてみたら面白くなるんじゃないかしら」と相談し、稽古までしていたという。しかし、山田監督に聞きにいくと「あのね、面白いということは何かを一生懸命やるから面白いんだよ。最初から面白がらせてやろうとしたらダメなの」とすぐに却下されてしまったという。

 そんな山田監督との撮影の日々について、倍賞は「撮影中も、『自分の演技はあれでよかったのかな?』と思ったりリテイクすることもよくありましたが、常に山田さんのこだわりが伝わってくる現場でした」と振り返っている。

 本作には、倍賞と木村に加え、蒼井優迫田孝也優香中島瑠菜イ・ジュニョン笹野高史ら豪華キャストが集結。原作は、2023年に日本公開されたフランス映画『パリタクシー』。

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