池松壮亮「豊臣兄弟!」で“泥大根”実食 「秀吉」想起しても「面白いのかなと」

俳優の池松壮亮が8日、NHK放送センターで行われた来年1月4日スタートの大河ドラマ第65作「豊臣兄弟!」第1回試写会&会見に、主演を務める仲野太賀をはじめ、制作統括の松川博敬、チーフ演出の渡邊良雄と共に出席。第1話冒頭で“泥大根”を食べるシーンの感想を述べていた。
本作は戦国乱世を舞台に、「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」と言わしめた天下一の補佐役・豊臣秀長の目線で戦国時代を描くサクセスストーリー。脚本を「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」の八津弘幸が務める。
第1話を鑑賞したという豊臣秀吉役の池松は「観ていただけるとわかると思いますが、本当にまっすぐな物語。貧しい村で育った兄弟が、平和な世を求めて天下まで駆け上がっていくサクセスストーリーです。観て元気をもらえる作品になっていくのではないかと思いながら毎日励んでおります」と感想を述べると「前回、豊臣家をしっかり描いた大河ドラマ『秀吉』は、バブル崩壊後の就職氷河期と言われる時代に視聴率30何パーセントを取っていたと記憶しています。そこから時を経て、豊臣家がまたこの時代にフィーチャーされる。この困難な時代、2026年の人々に元気を与えられるようなドラマをこれからみんなで目指していけたらなという風に思っています」と意気込みを語っていた。
本作は、大河ドラマとしては珍しくアニメーションからスタートする。松川は「台本上にはアニメーションと書いてあったわけではなく『猿が2匹いて……』というト書きでした。これをどうやって映像化しようか……といろいろ考えていくなかで、早い段階で、アニメーションでやったら面白いかもと考えました。日曜の夜8時にアニメーションから放送がスタートしたら、意外性もあって面白いのかもと思ったんです」と意図を明かしていた。
また、池松が演じる藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が、泥大根をパクリと食べるシーンも登場する。「藤吉郎が泥大根を食べる」と言えば、1996年放送の大河ドラマ第35作「秀吉」で竹中直人が演じた藤吉郎が、泥だらけの大根をかじるシーンが登場したが、松川は「あの当時にある野菜という意味では、選び放題ではない。いくつかあるなかで池松くんから『大きなものをかじりたい』というアイデアをいただき、そうなるとやっぱり大根だなとなって」と選んだ理由を述べると「(『秀吉』のシーンを)想像する方も出てくるだろうなと思いましたが、それも一つ面白いのかなと思ったんです」と言及した。
実際に泥大根を食べたという池松は「非常に食感がよく、新鮮で、土っぽくて、苦くて……」と発言し周囲を笑わせると「今回は、小一郎が真ん中に置かれた物語。そして8年間家を空けた藤吉郎が久々に帰ってくるというなかで、どう自己紹介できるかということを考えた結果、あのシーンが一番、藤吉郎を表しているのかなと思ったんです」と語る。
続けて池松は「藤吉郎の8年間は描かれていませんが、その8年間でどういう生活を送ってきたか、どういう幼少時代を送ってきたかというのが、少しだけ伝わればいいかなという風に思いながら演じていました」とシーンを振り返っていた。(磯部正和)


