2025年洋画1位は『ミッション:インポッシブル』興収50億円以上は2本のみ【洋画興収年間ベストテン】

2025年洋画興行収入の上位10作品が文化通信社より発表され、トム・クルーズ主演のアクション映画シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が最終興収52億7,000万円で本年度トップを獲得した。2024年に続き、2025年も興収100億円を突破する洋画のメガヒット作がなく、上位2本が興収50億円以上という結果となった。(集計期間は2024年冬~2025年冬、文中の数字は一部推定)
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親日家として知られるトムは、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のワールドツアーのオープニングとして、5月に東京都庁でのジャパンプレミアを実施。本作の情報を広く拡散することに寄与した。その流れで5月17日と18日には先行上映が行われ、2日間で興収4億4,900万円を記録。初週は『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』に次いで、初登場2位を記録した。そして翌週の5月23日から本公開となり、週末3日間で興収8億4,900万円を突破し、初登場1位に輝いた。翌週も週末3日間で興収6億5,200万円の成績をあげ、2週連続で1位を記録。9週連続でベストテン入りを果たした。
2位には『モアナと伝説の海2』が最終興収51億7,000万円でランクイン。2024年12月6日に初日を迎えた同作は、初日から3日間で興収9億3,800万円を記録し、初登場1位スタート。翌週には実写映画『はたらく細胞』に首位の座を譲ったが、正月興行として落ちの少ない推移を見せ、9週連続でベストテン入りを果たした。
3位には人気恐竜映画シリーズの最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』がランクイン。8月8日に初日を迎えた同作は、初日から3日間で興収11億3,300万円という好成績を収めたが、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の圧倒的な強さの前に2位スタート。興収自体は好調に推移しており、最終的に6週連続でベストテン入りを果たした。
2024年は、1位が『インサイド・ヘッド2』(最終興収53億6,000万円)、2位が『怪盗グルーのミニオン超変身』(最終興収45億3,000万円)、3位『ウィッシュ』は30億円台、4位『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』以下は20億円台以下と、まさに洋画の不調を象徴するような年であった。それに比べれば、2025年は多少持ち直した、という言い方ができなくもないが、歴史的な好調ぶりだった邦画と比べても、興収100億円を突破するようなメガヒット作が1本もないことにさみしさを感じさせる。洋画と邦画を合わせた総合ランキングとして見ても、かろうじて洋画の上位3作品が、総合の8位、9位、10位にようやくすべり込む程度となっている。
ベストテン作品を配給会社別に見てみると、ディズニーが4本、東宝東和(ユニバーサル・ピクチャーズ作品)が2本(パラマウント作品を手がける関連会社・東和ピクチャーズを含めると3本)、ワーナー ブラザース映画が2本。そんな中、『教皇選挙』を配給したキノフィルムズが健闘している。
シリーズものやリメークものが目立つ中、オリジナル企画である『F1(R)/エフワン』のヒットは特筆される。また原作ありの作品でも、『マインクラフト/ザ・ムービー』『ウィキッド ふたりの魔女』『教皇選挙』といった作品のヒットも、映画業界にとっては明るいニュースとなった。
中でも『F1(R)/エフワン』『マインクラフト/ザ・ムービー』を配給したワーナー ブラザース映画は大きな存在感を示した。日本では小規模公開となったものの、アメリカでは『ワン・バトル・アフター・アナザー』『罪人たち』『WEAPONS/ウェポンズ』といった意欲的な作品を大ヒットに導いてきただけに、今後の洋画興行がどのような形になるのか。気になるところだ。
2026年には『ウィキッド 永遠の約束』『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』『トイ・ストーリー5』『オデュッセイア』といった話題作が数多く公開される予定。来年こそは洋画復権を期待したい。(取材・文:壬生智裕)
【2025年洋画作品別興収 上位10本】(最終興収の数字は一部推定)
1:『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』52億7,000万円
2:『モアナと伝説の海2』51億7,000万円
3:『ジュラシック・ワールド/復活の大地』49億円
4:『マインクラフト/ザ・ムービー』39億5,000万円
5:『ウィキッド ふたりの魔女』35億4,000万円
6:『リロ&スティッチ』33億9,000万円
7:『ライオン・キング:ムファサ』22億5,000万円
8:『F1(R)/エフワン』21億2,000万円(11月30日時点)
9:『教皇選挙』11億5,000万円
10:『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』11億4,000万円


