グレン・パウエル、日本の若者に伝えたいこと “師匠”トム・クルーズから継承したアクション魂
作家スティーヴン・キングの伝説的小説を映画化した『ランニング・マン』で主演を務めたグレン・パウエルがリモートインタビューに応じ、『トップガン マーヴェリック』での共演をきっかけに師匠関係を築いているトム・クルーズとの2時間におよぶ長電話の内容、日本の若者に伝えたいメッセージを明かした。
【動画インタビュー】グレン・パウエル、“師匠”トム・クルーズとの長電話の内容とは?
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ベイビー・ドライバー』などで知られるエドガー・ライト監督がメガホンを取った本作は、職も金も失い、どん底生活を送る主人公ベン・リチャーズ(グレン)が、過去生存者ゼロの“デスゲーム“リアリティショーに参加し、巨額の賞金をかけて殺戮ハンターとの逃亡劇を繰り広げるSFアクション。
『ランニング・マン』の主演が決まった後、グレンが最初に話をした相手が“師匠”であるトム・クルーズだった。稀代のアクションスターとして長年ハリウッドを牽引してきたトムと、2時間みっちり電話で話をしたというグレンは、アクション映画の主演を務めるための極意や撮影現場でのあり方などを学んだという。
「アクション映画を率いる経験、そしてそれを『正しいやり方』でやってきたという点において、トム・クルーズに並ぶ人はいません。大量のVFXに頼らず、自分でスタントをこなし、実際にカメラの前で身体を張って、観客を本気で楽しませるために自分自身を危険にさらす。エドガー・ライト監督と僕が『ランニング・マン』でやりたかったのは、まさにそういうことでした。観客が『これは投資する価値がある映画だ』と思えるために、楽をしたり手抜きに見えるような作り方はしたくなかったんです。その“犠牲”がどういうものかを知るために話を聞く相手として、トム以上の人はいませんでした」

「電話の内容ですが、ほとんどがトレーニングのことで、どうやってそういう状況を生き延びるか、とにかく『正しくやる』ために時間をかけることの大切さなども話しました。改めて思うのは、僕は本当に恵まれているということ。トムは、世界で最も有名な映画スターの一人、もしかしたら“史上最大”の映画スターかもしれない。しかも、彼は後に続く俳優のために手を差し伸べてくれる人なんです。自分が本当に大切に思っている人たちに、時間を割いて助けてくれる。僕が『どうやってやればいいんだ?』と聞いたら、彼は本当にたっぷり時間を取って助言してくれた。それだけでも、彼がどんな人間かが分かると思います。とにかく、彼は最高の存在です」
ベンが挑戦するデスゲームは「ランニング・マン」は、30日間の“鬼ごっこ“を逃げ延びるだけで賞金1,000憶円が獲得できる。しかし、挑戦者を追うのは高度な殺人スキルの訓練を積んだ殺人ハンター。さらに、懸賞金を狙う全視聴者が情報提供者として参加するなど、あまりに過酷なゲームであることから過去に生存したものはいない。
劇中でとにかく走りまくるグレンは「正直、誰かの走り方を研究して走れるようになる、というものではないと思うんです。結局は自分で走り、自分にとって一番いい走り方を見つけるしかない」と撮影を回顧。「最終的には、自分で取得するしかありません。毎朝起きて、仕事の前にスプリントをしていました。大人になると、朝起きて全力疾走するなんて、普通はしないですよね。でも、それが僕の新しいトレーニングの一部だったんです(笑)」と笑ってみせた。
また、走り方でも師匠・トムの話題に。『ミッション:インポッシブル』シリーズなどで見られる“トム走り”は、俳優が実際に参考にするほど美しいフォームだ。「いろいろなスプリントコーチに『正しい走り方のテクニックって何ですか?』と聞いたんですが、みんなが口を揃えて『カメラの前で本当に走れている俳優は、トム・クルーズだけだ』と言うんです。だから、相談相手としては間違いなく正しい人を選びました」とグレンは振り返った。
グレンは、自身を「アスリート」と表現するほどのストイックぶり。師匠であるトムからメンタリティーとアクションの精神を学び、それを自身の作品に還元する飽くなき探究心は、多くの人々に刺激を与える。そんなグレンは、日本の若者に伝えたいことについて、自身の役者業との向き合い方を例に挙げながら、以下のように語った。
「この仕事への向き合い方は、二つの側面があると思っています。一つは『生徒』としての側面。常に好奇心を持ち続けること、常に質問すること、常に学び続けることです。この作品がまさにそうでした。エドガー・ライトという、史上最高の映画監督の一人と仕事をしているわけですから。彼はジャンルを問わず、僕が大好きな映画を数多く作ってきた人です。そして彼が一緒に仕事をしている各部門のトップたちを見ると、本当に驚かされます。誰もがエドガーと仕事をしたがるので、彼は最高の人材を選び放題なんです。撮影現場は、僕にとって終わりのない最高の学びの場です。まるで映画学校のようで、素晴らしい人たちから直接学ぶことができる」
「そして、もう一つは『アスリート』としての側面。映画製作は、僕にとって本当に競技的な世界なんです。自分からどれだけ引き出せるか、チームからどれだけ力を引き出せるか、どこまで自分を追い込めるか。そして、みんなで勝利をスコアボードに刻めるか。だから、この二つは常に両立しています。一番伝えたいのは、決して自分を追い込むことをやめないこと、そして学ぶことをやめないこと。それが、僕からのアドバイスです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『ランニング・マン』1月30日(金)より全国公開


