「ばけばけ」トキ&サワの別れ、制作統括も涙…送別のセリフに込めた思い

13日に放送された連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)第18週・第95回では、松江を離れることを決断したヒロイン・松野トキ(高石あかり ※高=はしごだか)が、親友・サワ(円井わん)に別れを告げるシーンが印象的に描かれた。制作統括の橋爪國臣が、トキとサワの別れのシーンに込めた思いや撮影秘話を語った。
連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。
史実におけるセツとハーンの熊本行きについて、橋爪は「松江から熊本に移動した理由は、史実ではあまり記録が残っておらず、本当のところはわかりません。そこをしっかり描くのがドラマです。熊本行きの理由は、ヘブンがトキを守るためという理由にしました」と語る。
ぎくしゃくすることもあった二人だが、トキは熊本行きを決断。橋爪は「このドラマはトキとヘブンの関係を軸に物語を作りたいと思っています。熊本に行くと給料が良くなるという面などもありますが、何よりもトキとヘブンを軸に見た時、一番大切なことは何かと考えました。トキの松江での生き辛さ、それをヘブンがどう見てあげるのか。トキがどうそれを乗り越えて行くのか。そこにスポットを当てました」と台本に込めた思いも紹介する。
「お金云々は情報の一つにしか過ぎない」という橋爪は、「ヘブン先生日録の騒動など、さまざまなことがみんなの中に横たわっていることが描けたらいいなと思って話を作りました」と別れのシーンを振り返る。
続けて、「トキはサワやタエ(北川景子)の言葉に背中を押されます。タエや三之丞(板垣李光人)は今までトキにおんぶに抱っこ。そんな彼らが足かせになって、トキが松江を出られない背景もあり、タエがわざとできない料理を作ってみたり、三之丞が『大丈夫』と去勢を見せたりする。直接的な言葉で応援しない良さも描けたらと思いました」と松野家の熊本行きをめぐるそれぞれの人物情景、反応に幅を持たせた経緯も説明した。
サワの「熊本、おトキを頼むぞ」というセリフについても「二人は親友として完全にできあがっています。二人が何度井戸端で泣いたことか。二人の進む道は違いますが、信頼はあります。高石さんと円井さんもすごくいい関係なんです。撮影の合間も二人で話が盛り上がっているし、だからこそ本当の親友じゃないかと思える掛け合いが生まれる。お互い仕掛けあって、しっかりと受け止め合う。現場でそれを見ているだけで、ウルウル泣いたりしました。あのシーンを見ると、『松江編が終わってしまうのか……』と寂しくなりますよね。あのシーンを見て我々が感じることは、みなさんと同じです」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)


