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「ばけばけ」ヘブンの最期、異例の“無音”演出&想定外の涙 制作統括が明かす舞台裏

「ばけばけ」第122回より
「ばけばけ」第122回より - (C)NHK

 連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の最終週・第122回が、24日に放送された。ヒロイン・トキ(高石あかり ※高=はしごだか)が、胸の痛みを訴えていた夫・ヘブン(トミー・バストウ)と、美しい夕陽を眺めながら静かに語り合う様子が印象的に描かれた。制作統括の橋爪國臣が、「最終回と並ぶとても大きなシーン」と表現する、夫婦での最後のシーンの裏側について語った。

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 連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

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 第122回は、庭先に不吉の知らせでもある“帰り桜”が咲くシーンから始まり、主題歌「笑ったり転んだり」とオープニング(OP)映像は流れず、作品タイトルだけが映し出された。ヘブンは再び胸が痛むと訴え、トキは夕暮れ時の縁側で、ヘブンと二人きりで時間を過ごす。ヘブンは自らの旅立ちを悟ったのか、「お先、休ませてもらいます。ありがとう」と言葉を放ち、トキの肩に寄りかかるように頭を乗せ、そのままゆっくりと眠りにつく。シーンが切り替わると、ヘブンは帰らぬ人となっていた。

 橋爪は、夫婦で過ごす最後のシーンについて「この作品を最初に作った時から構想していたシーン」だったと告白。「縁側になるかは分かりませんでしたが、(ヘブンの最期として)夕陽が絡むシーンが作れればと思っていたんです」と話す。

(C)NHK

 ヘブンが目を閉じた後、トキの頬に一筋の涙が流れ、同じようにヘブンも涙を流すシーンは、当初予定していなかった演出だった。

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 「あのシーンの撮影は、私もどうしても見たいと思い、撮影現場まで見学に行きました。泣かない幕引きを想定していたので、高石さんもトミーさんも『泣かない』と言い合っていました。それを二人が守る、守らないという演技の駆け引きのようなものを見届けたいと思っていました」

 思えば、リハーサル時から二人は堪えきれずに涙を流す一幕があったという。「リハーサルから二人とも泣いていた気がします。本番では『泣かない』、リハーサルでは『危ない危ない』って言い合っていたんです。トミーさんも『ついつい涙が出そうになる』と。結果はご覧になった通りです。二人で寄り添いながら、涙を流しました。あのシーンは、まさに二人の、そして夫婦としての結晶のようなものが凝縮された印象的なシーンになったと思います」

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 その後、枯葉が舞い、30秒以上の沈黙のシーンがあるが、この演出については、最終週の演出を任された村橋直樹からのアイデアだったと振り返る。「二人の最後のシーンなので、『音がない演出にしたい』と言われました。二人の思いの深くまで潜れるような、そんなシーンをその沈黙を作ることで生み出せると。しかし、無音が30秒続くと放送上の事故だと見なされ、エラーのアラームが出てしまう。そこまでしてでも、二人の深いところに入りたかった。そうしてあの演出が生まれました」

 また、この回に主題歌とOP映像を入れなかったことにもこだわりがあった。橋爪は「最終回と並ぶとても大きなシーン。特別な演出にしたいと村橋と話していました」とその意図を紹介し、「思い出を振り返るシーンなども考えましたが、今、二人の目の前で起きていることに対して、視聴者がぐっと入っていけるシーンにしたかった。だから、歌もなしにということになったんです」と振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)

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