「誰よりもアギトを愛している」賀集利樹、仮面ライダーのイメージに葛藤した時期も…25年を経て語る思い
特撮ドラマ「仮面ライダーアギト」(2001)から25年を経て完成した完全新作映画『アギト-超能力戦争-』(4月29日全国公開)で、再び津上翔一を演じた賀集利樹。オリジナルキャストが奇跡の再結集を果たした撮影を振り返りながら、空前のヒットとなったテレビシリーズと仮面ライダーへの思いを語った。
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ライダー俳優のジレンマ「嫌だった時期」を経て

「仮面ライダーアギト」は、アギトに変身する記憶喪失の青年・津上翔一(賀集)を中心に、覚醒した者たちの苦悩と戦いを描くテレビシリーズ。平成仮面ライダーシリーズ第2弾として放送され、“3人の仮面ライダー”をめぐる重厚なストーリーと、賀集ら若手俳優の魅力が話題を呼び、現在まで続く仮面ライダーブームを決定づけた。
当時は「平成仮面ライダーシリーズ」歴代1位となる瞬間最高視聴率13.9%を記録。この数字はいまだに破られていない。賀集自身はその人気を実感していたのだろうか。
「撮影中はとにかくいっぱいいっぱいでやっていたので、そこまで実感はなかったかもしれません。でも、高視聴率を取った時に、食堂で軽い打ち上げがあったりはしました。大泉(東映東京撮影所)で(笑)。あとは、年に何度かあるイベントで地方に行った時など、たくさんのファンの皆さんに囲まれたりしたときは、“すごい人気なんだ”って実感できましたね」
『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』(2001)もヒットとなり、絶大な人気を誇った「仮面ライダーアギト」。番組終了後、数々のドラマや舞台でキャリアを積み上げてきた賀集だが、“ライダー俳優”ならではの悩みを抱えた時期もあったという。
「『仮面ライダーアギト』が終わってから何年かは、“仮面ライダー”って言われる事が、少し嫌だなと思う時期がありました。それは多分、(特撮出身の俳優であれば)多くの人が通る道だと思うんです。それくらい『仮面ライダー』は偉大な存在だし、イメージがつくことは役者として避けられないことですから」
その思いを変えたのが、作品を愛するファンの存在だった。「30歳をすぎたころからでしょうか。仮面ライダーであることを受け入れることができるようになりました。年齢を重ねると、子供の時に『アギト』を観ていた世代の方々が成長し、社会に出て、共演者や現場のスタッフさんになっていたりする。そうしていろんなシチュエーションで出会う方々に“『アギト』世代なんです”って言ってもらえることが増えたんです。皆さんの声をちゃんと聞けるようになったことで、僕自身もまた『仮面ライダーアギト』を好きになれた気がします」
奇跡の「美杉家」再集結
映画『アギト-超能力戦争-』は、かつて仮面ライダーG3として翔一と共に戦った警察官・氷川誠(要潤)が、誰も見たことのない“不可能犯罪”に挑む完全新作。オリジナルキャストが集結するなか、アギトの力を失った翔一は「レストラン・アギト」の店主として、変わらぬ笑顔を見せており、賀集は「翔一もよく、25年レストランを続けてくれたなという感じですよね」と笑う。
「レストラン・アギト」では、美杉家を演じた升毅、秋山莉奈、田辺季正とも再会。「太一役の田辺季正くんは芸能界を引退しているんですが、プロデューサーが連絡を取ったら『喜んで!』と、有給をとって参加してくれたんです。当時から大人っぽいところがあったからか印象が変わらなくて、一方で莉奈ちゃんは大人になったなと思いました。『私、(当時は)一番うるさかったです』って言っていましたから(笑)。番組が終わってから常に会っていたわけではないんですが、不思議なことにすぐ当時に戻れました。やはり家族みたいなものですよね」と振り返る。
翔一役に戻る際も、役づくりは必要なかった。
「役者として本当に失礼なことを言っていると思うのですが(笑)、何も考えずに撮影現場に入ったという感覚です。25年後だからこうしよう、みたいなものも全く作らず、台本を読んで『これが翔一だな』と思う感覚で入ると、そこには25年後の『アギト』の世界があって、ナチュラルに入れた。僕は『仮面ライダージオウ』で翔一を演じる機会があったということもありますが、たぶんみんなも一緒で、『アギト』という作品と役が体の一部に残っているんだと思います。そうして生活してきた25年があって、やるべくして今回の映画が出来上がった。そんな気がしています」
30周年、50周年も…賀集利樹が守り続ける「愛」
俳優としての25年の歩みを振り返り「仮面ライダーであることを『守ろう』という思いや、プレッシャーみたいなものは僕にはあまりないんです」という賀集。しかし、「仮面ライダーアギト」への思いは誰よりも強い自信がある。
「今は、僕自身が誰よりも『仮面ライダーアギト』を愛していると思っています。その愛する力があれば、皆さんも僕がやってきたことを愛してくれるんじゃないかと思うので、それだけは守りたい。だからこれからも『アギト』を愛していきたいです」
仮面ライダー生誕55周年記念作でもある『アギト-超能力戦争-』。仮面ライダー1号/本郷猛役の藤岡弘、をはじめ、多くのレジェンドが現役として活躍し続けている。25周年といわず、賀集にはこれからも“アギト”としてファンと一緒に歩んで行ってほしいところ。賀集に今後への意気込みを尋ねると、力強く思いを語った。
「少し言葉は悪いですけど、あの方々(藤岡たち)はもう“化け物”ですから(笑)。本当に皆さんストイックですし、体力も精神力もすごくて、一緒にいると絶対に敵わないなと思ってしまいます(笑)。ただ、僕ももうすぐ50歳で人生の岐路を考えたりもする年齢になってきましたし、求めていただける限り、体が動く限りは、一生この仕事を続けたいと思っていますので、映画を観てさらに『アギト』を愛していただければ、それこそ30周年、50周年など、新しい形で何かを作ることができるかもしれないので、これからも皆さんに『アギト』を、『仮面ライダー』を愛していただければと思います」(編集部・入倉功一)
映画『アギト-超能力戦争-』は4月29日より全国公開
ヘアメイク/平笑美子・スタイリスト/KYOU


