『WEAPONS』監督版バイオハザードはどうなる?ゾンビ版『怒りのデス・ロード』の情報も

今年も4月13日から16日までアメリカのラスベガスで開催された、シネマコン。アメリカの映画館オーナーを中心に世界80カ国から多くの興行関係者や映画人たちが集い、メジャーを軸とした各映画会社が新作・注目作のラインナップを発表する一大コンベンションだ。初日、13日の夜には米ソニー・ピクチャーズのプレゼンテーションが行われ、注目の『バイオハザード』リブート版を紹介。監督ザック・クレッガーが登壇した。Deadlineなどが報じている。
『バイオハザード』タッグ再び!ミラ・ジョヴォヴィッチ主演『ロストランズ 闇を狩る者』場面写真
カプコンの大人気ゲームを実写映画化した、ゾンビアクション映画『バイオハザード』の1作目が公開されたのは2002年。ポール・W・S・アンダーソンが監督を、ミラ・ジョヴォヴィッチが主演を務めたこの作品はその後シリーズ化され、2017年までに5本の続編を製作。累計12億ドル以上の世界興行収入を稼ぎ出した。2021年にはヨハネス・ロバーツ監督、カヤ・スコデラーリオ主演のリブート版『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』も公開になったが、2,500万ドル(推定)の製作費に対し世界興行収入は4,200万ドルと成績が伸びず、シリーズ化されることはなく打ち切りに。そして新たに製作されるリブート版が、『バーバリアン』(2022)と大ヒット作『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)のザック・クレッガーがメガホンを取る『レジデント・イービル(原題) / Resident Evil』(2026)だ。
このプロジェクトはかねてから、映画全編を通じて終始、地獄の中のチェイス・シーンが延々と続く、過去の『バイオハザード』シリーズ以上に、ジョージ・ミラー監督作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)とサム・ライミ監督の『死霊のはらわた2』(1987)のDNAを持った作品と表現されてきたが、過去シリーズとは関連のないオリジナルのストーリーだという。2025年1月に映画のプリプロダクションが始まった後、ワーナーやNetflixなども加わり争奪戦が繰り広げられ、最終的にソニー傘下のコロンビア・ピクチャーズが配給権を獲得した。
シネマコンでは、『レジデント・イービル(原題)』のティーザートレイラーが披露されたが、爆発シーンやアンブレラ社の背景の説明は含まれておらず、オースティン・エイブラムス(『WEAPONS/ウェポンズ』)演じる配達人が地獄街道を突き進み、血みどろの恐ろしい「なにか」を目撃するという内容だったという。ステージ上でクレッガーは「過去数十年間、かなり長時間に渡って「バイオハザード」のゲームをプレイした。とても映画的で、引き込まれたんだ」と告白。自身の映画に「あのゲームの雰囲気、ペース、そしてリソース管理といったものまでを捉え、反映させたかった」と述べている。さらに、今回のリブート版では『WEAPONS/ウェポンズ』のように時間軸が途中で跳躍したり、キャラクターの別の側面が描かれることはないという。「猛スピードで人類が滅びそうになっている世界で、1人の主人公がA地点からB地点まで行く話だ」と付け加えている。
オリジナルのゲームの精神(スピリット)に忠実な映画になるとクレッガーは明言しているが、これまでの発言や監督の過去作のテイストから推測するに、パワフルなアクション・ホラーというよりは、例えばヨン・サンホ監督の『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)のような、一つの方向に突き進む、疾走感あふれるハイテンションなサバイバル・ホラーに仕上がっている予感がする(あの映画の主な舞台は高速列車だったが)。また、あまり存在感が強くない没個性的な主人公が、TVゲームにおけるプレイヤーのアバターのように、一つの恐ろしいシナリオから別のシナリオへと移動する存在として機能している可能性も考えられる。登場キャラクターも現時点で5人しか発表されていないが、それ以外はゾンビということもありうるだろう。ちなみに、クレッガーは過去の『バイオハザード』シリーズは「一度も観たことがない」と語っている。
クレッガーの過去2本の監督作でもタッグを組んだ敏腕プロデューサー、ロイ・リーがプロデュースを、ダリウス・ウォルスキー(『ナポレオン』『オデッセイ』)が撮影監督を務め、チェコのプラハで撮影された『レジデント・イービル(原題)』は、北米で今年9月18日に公開になる。製作費はシリーズ史上最高額となる8,000万ドル(推定)だ。アメリカの映画サイトでは同作のテストスクリーニングの反応が一部報じられているが、ポジティヴなリアクションが際立っている。日本でもこの秋には公開されるだろうか?
4月14日に行われた、シネマコンのワーナー・ブラザースのプレゼンテーションでは、ザック・クレッガー監督の次回作となるSFスリラー『ザ・フラッド(原題) / The Flood』が発表された。クレッガーがオリジナルのアイデアを基に脚本を執筆。2028年8月11日に北米で公開される。また、『WEAPONS/ウェポンズ』のスピンオフ作品『グラディス(仮題) / Gladys』の公開日も正式にアナウンスされた。アカデミー賞助演女優賞を受賞した、エイミー・マディガン演じるグラディスに焦点を当てた作品で、監督は未定だが、クレッガーがロイ・リーとともにプロデュースを務め、ザック・シールズと共同で脚本を執筆する。2028年9月8日に北米で封切りとなる予定だ。(小林真里)


