なぜ日本人は毒魚を食べるのか?斎藤工がいざなう『GUN FISH あなたの知らないフグの世界』9月公開

猛毒を持ち、その毒性は死に至らしめることもある魚、フグ。その危険性から世界では輸入を禁止する国がある一方、日本人は、何百年にもわたって「食べるのをやめる」のではなく、“どう食べるか”を追求し続けてきた。このたび、その知られざる奥深い世界を映し出すドキュメンタリー映画『GUN FISH あなたの知らないフグの世界』が9月4日(金)公開されることが決定した。
【動画】なぜ日本人は猛毒を食すのか?映画『GUN FISH あなたの知らないフグの世界』予告編
厳格な免許制度。試験に人生を懸ける料理人たち。“危険”を“美味”へ変える職人たちの技と美学。フグをめぐる世界は、“毒”があるからこそ生まれた驚きとロマンに満ちている。「下関ではフグは獲れない」「フグの毒はフグ自身が作っているわけではない」そんな、思わず誰かに話したくなるトリビアも満載だ。
本作には、一流料理人、ミシュランシェフ、フグ毒研究者、下関や築地の目利き職人など、多彩な人々が登場する。さらには、合法的な肝食解禁を目指す人々など、新たな可能性に挑む人々の姿も映し出す。中でも大きな軸となるのが、東京都ふぐ調理師試験に挑む若き料理人・行木由香里(なめき・ゆかり)の姿だ。「最低100本は捌かないと受からない」と言われる厳しい試験に向けて、人一倍不器用な彼女は何度も壁にぶつかりながらフグと向き合う。一歩間違えれば人の命に関わる食材だからこそ求められる技術と責任。悩み、迷いながらも成長していく行木の姿は、フグ文化を支える人々の情熱と誇りを象徴する存在として、本作の大きな見どころのひとつとなっている。また本作は、若き料理人の挑戦を追うだけでなく、料理人、研究者、漁師、流通関係者、愛好家など、フグに魅せられたさまざまな人々にも迫る。
それぞれ異なる立場からフグと向き合う人々を通して、本作は“知らない世界を覗く面白さ”と、人間ドキュメンタリーとしての豊かな魅力を描き出す。そんなフグの世界に、近年新たな波紋も広がっている。「無毒のエサを与えれば、フグは毒化しない」つまり、“養殖フグは無毒”? その研究成果は、合法的な肝食解禁を目指す動きへと発展していく。「天然と養殖で肝の区別はつかない」「事故が起きてからでは遅い」そう警鐘を鳴らす人々。一方で、「“どう食べるか”を追求してきたのが食文化」と語る人々もいる。この「肝食論争」は下関市長や佐賀県知事も加わって激化してゆく。それぞれの立場からフグ食文化と向き合う人々の姿は、「安全とは?」「食文化とは?」という食の根源を問いかけてくる。
本作の監督を務める宇野航は、フグの面白さに魅せられ、この映画の制作をスタートさせた。その思いはやがて、自ら会社を辞め、私財を投じて取材・制作に打ち込む決断へとつながる。料理人、研究者、漁師、流通関係者、愛好家。10 年にわたりフグに関わるさまざまな人々を取材し続ける中で、宇野監督はフグをめぐる文化や歴史、そしてそこに人生を懸ける人々の熱量を記録してきた。さらに取材の過程では、自ら「大阪府ふぐ取扱登録者」の資格も取得。映画を撮るために始まった取材だったが、フグの奥深さを知るほど、その興味はますます深まっていった。そんな宇野監督が、「いつまでも残り続けるオンリーワンの映画を目指した」と語る本作には、監督が10年を費やしてもなお追いかけたくなるフグの魅力と、その世界に生きる人々の熱量が詰まっている。
そして本作のナレーションを担当するのは俳優・斎藤工。唯一無二の存在感と落ち着いた語りで、観客を奥深いフグの世界へと誘う。斎藤は、本作への参加に際し、「知っているつもりだった日本の食文化の奥に、これほどの覚悟と美しさが息づいていたことに、静かに頭が下がります」とコメントを寄せた。
さらに、公開決定にあわせて、本作の予告篇とキービジュアルも公開。予告篇では、フグという一匹の毒魚を入口に広がる、知られざる食文化や、そこに人生を懸ける人々の熱量を映し出す。「毒があるから、おもしろい。」というキャッチコピーが象徴するように、危険と隣り合わせだからこそ生まれたフグの奥深い世界への期待を高める映像となっている。キービジュアルでは、鮮烈な黄色を背景に、大胆に描かれたフグの姿が強烈な存在感を放つ。「毒があるから、おもしろい」という挑発的なコピーとともに、危険だからこそ人を惹きつけてやまないフグの魅力、そしてその一匹を取り巻く人間たちの熱量を感じさせる仕上がりになった。
映画『GUN FISH あなたの知らないフグの世界』は、9月4日(金)テアトル新宿ほか全国公開。斎藤と宇野監督のコメントは以下の通り。
斎藤工(ナレーション)
フグは、身近なようでいて、誰もが気軽に辿り着ける存在ではない。だからこそ、その一皿の手前にある命、技術、緊張感、歴史が濃く立ち上がってくる。本作は、命の物語であり、同時に上質なフードエンターテイメントでもありました。知っているつもりだった日本の食文化の奥に、これほどの覚悟と美しさが息づいていたことに、静かに頭が下がります。
宇野航(監督)
「なんでフグ?」と何度も聞かれるうちに気づきました。「毒魚を食べる」。それを不思議に思わないほど絶対的なふぐの「安心・安全」は、先人が築き上げてきたとてつもない偉業なんだなと。特殊な食文化ゆえの驚きやドラマが満載なふぐの世界。
見ればきっとその面白さに興奮して貰えるはずです。「ふぐといえばこの映画」と立ち返れるような、いつまでも残り続けるオンリーワンの映画を目指しました。多くの方に楽しんで頂ければ幸せです。


