ハゲ頭にぽっこりおなか…『トイ・ストーリー5』の年老いたウッディで伝えたかったこと

映画『トイ・ストーリー5』の監督アンドリュー・スタントンと共同監督のマッケンナ・ハリス、そしてプロデューサーのリンジー・コリンズがインタビューに応じ、年老いたウッディのビジュアルで伝えたかったことを明かした。
後頭部はハゲて下腹はぽっこりという本作でのウッディの変化が予告編で明らかになると、大きな話題に。思わず笑ってしまうほどユーモラスでありながら、シリーズ第1作から実に30年という長い月日が流れたことを観る者に痛感させるシーンでもある。
スタントンは「おもちゃは肉体的に年を取りはしないが、実体として存在している。ウッディは(『トイ・ストーリー4』を経て)今や“野良のおもちゃ”になったわけだけど、彼はそもそも外で遊ぶ用のおもちゃとしては作られていない。だから、後頭部が擦り切れたり、中の綿が偏ったりするのは理にかなっているんだ。長い間生きてきた人の姿と重なるようにね」と語る。おなかが出てしまいがちなのは、『トイ・ストーリー4』で体の中にあったボイスボックスを手放したことで、綿が下に落ちてきたためだ。
ハリスが「年老いたウッディがインターネットでバズってうれしかったです。みんながウッディ守ってあげようとしているのが伝わってきて!」とほほ笑むと、プロデューサーのコリンズも「そう、みんながウッディを守ろうとするのを見るのは素晴らしかった。『ウッディはハゲてない! 太ってない! 彼は大丈夫!』って」と笑って振り返る。
シリーズファンの庇護欲を刺激したウッディだが、制作陣には別の思いがあった。コリンズの「でもわたしたちは、『いやいや、いいんだよ。彼は今、彼にとって最高の人生を送っているんだから。もう見た目とかそんなことを心配する必要もないし、今のそのままの彼を愛してくれる人がいるんだから』という感じで」という言葉に、スタントンもハリスも「その通り」とうなずく。
スタントンはこの年老いたウッディをしっかり見せることで、「彼が今、人生の“異なるフェーズ”にいることを示したかったんだ」と狙いを明かす。「彼にはもう“持ち主の子供”がいないから、手入れをちゃんとして自分をきれいに保たなければ、といった心配する必要もない。彼は、他のおもちゃを助けるためにいつも危険を冒していることに、すごく満足しているんだ。だから、これからもたくさんの傷を負うことになるだろうけど、それは“名誉の負傷”なんだよ」と優しく語った。
シリーズを通してのウッディの変化を考えると感慨深くもある。コリンズは「『トイ・ストーリー2』の時は、ちょっとしたほつれをあんなに心配していたのにね。ほつれがあると捨てられてしまう、完璧じゃなければ遊んでもらえなくなって廃棄されてしまう、とあれほど恐れていた。それが『トイ・ストーリー4』でボイスボックスを手放し、もうそういう心配を乗り越えたのよね。子供に捨てられる心配も、遊んでもらえなくなる心配ももうしていない。彼の目的は変わったの」と明かし、スタントンも「そう。引退生活の中で、新しい目的を見つけたんだ」と応じていた。(編集部・市川遥)
映画『トイ・ストーリー5』は公開中


