【ネタバレあり】「ガス人間」広瀬すず&林遣都が振り返る衝撃展開 華歩の配信シーンは台本になかった

東宝とNetflixが初タッグを組み、伝説の特撮映画『ガス人間第1号』(1960)をリブートした全8話のオリジナルシリーズ「ガス人間」。劇場型の連続予告殺人を仕掛けるガス人間の真相に迫る動画配信者の兄妹を演じた広瀬すず(藤川華歩役)と林遣都(藤川富士太役)がインタビューに応じ、ガス人間との遭遇から、藤川兄妹に訪れる衝撃展開までを振り返りながら、撮影の裏話を語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥、写真:中村嘉昭)(以下、「ガス人間」最終話までのネタバレを含みます)
一切隙がなかったガス人間
Q:第4話で、富士太と華歩が初めてガス人間を目撃します。UTAさんが演じる無機質で不気味なガス人間の印象はいかがでしたか?
林遣都(以降、林):ガス人間は完成するまでVFXパートの仕上がりがわからなかったのですが、(ガス人間役の)UTAさんが撮影現場で完全に役に入り込んでいて、相当な覚悟を持ってこの作品に臨まれているのを感じました。肉体改造はもちろん、キャラクターの内面も完璧に仕上げられていました。
ガス人間がどんな動きをするのか、どういう話し方をするのかは誰にもわからないので、ゼロから作り上げる必要があります。UTAさんがさまざまなことを考えて仕上げてきてくれて、劇中に登場する「リスナーさん、願いを言ってください」という時の動きなどにも一切隙がなかったです。人間だけど人間じゃない。得体の知れない存在ってこういうものなんだという説得力を生身で表現してくださったので、こちらは純粋にリアクションを取るだけでした。
広瀬すず(以降、広瀬):ガス人間には、無機質さと清らかな姿が共存していました。UTAさんがクランクインする前に、私たちが先に撮影していたこともあって、(ガス人間になる前の)レンおじさんの状態を何も知らず、片山(慎三)監督からも共有されなかったので、本当に素直に「これがガス人間か……!」という驚きが大きかったです。台本を読んだ時は、もっと人間からかけ離れた存在を想像していたのですが、ここまで生身の人間さを感じると、より恐怖心が増しました。
撮影現場では、UTAさんが歩き方や前かがみになる姿勢など、細かく何度も練習されている姿が印象的でした。簡単そうに見えて、相当な筋肉がないとできない絶妙な角度なんです。映像で見るとさらにVFXとの化学反応が起きていて、「これがガス人間なんだ……」と驚かされました。
妹を守るために…富士太が取った衝撃行動
林: 富士太の一連の行動は、きっと全て咄嗟に出たのだろうと自分の中で整理をつけました。演じる際は、「この世で一番大事な存在(妹)を守るために」ということだけを考えていました。ガス人間にどのような攻撃をされて、どういう風に苦しんで、身体がどうなっていくのかも答えがきちんとありました。他にも何人か(ガス人間に)やられた役者さんがいるので、「どうやって演じているんだろう?」って人づてに聞きながら、富士太の最期は片山監督と現場で話しながらイメージを膨らませて作っていきました。
Q:富士太の身体が宙に浮くシーンは、実際にワイヤーで吊るされていたのですか?
林:はい、橋の上で高いところまで吊り上げられました。かなり怖かったです(笑)。撮影で何度か吊るされた経験はありますが、1本のワイヤーでグッと引っ張られるのは初めてで、新鮮でしたけど少し怖かったです。
Q:(広瀬さんへ)華歩は川の中で兄の最期を目撃しました。華歩が溺れるシークエンスはどのように撮影したのでしょうか?
広瀬:あのシーンは東宝のスタジオではなく、大型の市民プールで撮影しました。林さんとの撮影が終わってから、半年後くらいだったんです。競泳選手が練習するような本当に広いプールで、ものすごい水流を起こす機械が5~6台設置されて、25メートルくらいずっと流されていました(笑)。
林:流されるシーンの撮影だけ、残っていたんだよね(笑)。
広瀬:そうなんです。ものすごく大変で、水を3リットルくらい飲んでしまいました(笑)。
富士太から華歩へ…継承された配信者魂
Q:富士太を失った華歩は、第7話以降、一人でガス人間を追うことになります。華歩の変化については、どのように向き合って演じられましたか?
広瀬:お兄ちゃんと二人の自宅がなくなると、華歩にとっては何も残らない状態です。どう演じていいのかと難しさを感じつつ、そこで悲しみを出しすぎるのも作品のトーンとしてどうなんだろうと考えたりもしました。ただ、劇中のさまざまなシーンで“愛の形”が描かれているからこそ、片山監督も「気持ちのままで大丈夫だよ」という空気感で演出してくださいました。ガス人間によって人間が殺害される「死」というものへの向き合い方は、今までにないアプローチでした。また、後半エピソードの撮影で、ようやく他の共演者の方々に会えた時は「みんな存在していたんだ」と少し安堵しました。
Q:最終話のクライマックスでは、華歩が富士太の後を継ぎ、彼と同じメイクで動画配信を行う姿が映し出されます。
広瀬:実はあの配信シーンは直前になって急に足されたもので、もともとは存在しなかったんです。台本には書いてなくて、撮影中も「林さん、大変だなぁ……」と近くで見守っていたら、最終話になって「私もやるの!?」って……。
林:確かにあのシーンは書いてなかったね(笑)。
広瀬:セリフ量も多かったですし、テンションや動きも明確なプランがない状態で本番が始まったので、恥ずかしさと緊張でどうにかなりそうでした。お兄ちゃんの素晴らしい姿を見た後でプレッシャーもあり、配信者として頑張るシーンはかなりハードルが高かったです(笑)。
Netflixシリーズ「ガス人間」 は独占配信中(全8話一挙配信)


