「豊臣兄弟!」緒形敦、信澄の本能寺の変に至る思い解釈「揺れを大切に」

仲野太賀主演による大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合・毎週日曜午後8:00ほかで放送中)で織田信長(小栗旬)の甥・織田信澄を演じる緒形敦。本作では、信澄が明智光秀(要潤)が「本能寺の変」へと至るキーパーソンとして描かれたが、信澄はどんな思いでいたのか。緒形がその過程を振り返った(※ネタばれあり。第27回までの詳細に触れています)。
織田信澄は、信長の弟・信勝(中沢元紀)の長男。父・信勝が謀反の疑いで信長に謀殺(ぼうさつ)されたのちは、柴田勝家(山口馬木也)の下で育つ。明智光秀の娘婿となり、信長からの信任も厚い。前回・第26回のラストでは、光秀の元にわたった「信長を討て」という足利義昭からの御内書を書いたのが信澄であったことが発覚する衝撃的な展開となった。
父は俳優の緒形直人、母は仙道敦子、祖父は緒形拳という緒形。緒形にとって大河ドラマへの出演は初となり、あらためて「父(緒形直人)が織田信長役を務めた大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」(1992)を小学生のときに見たことがきっかけで、歴史に興味を持つようになりました。なかでも一番好きなのが戦国時代です。なので、今回出演が決まって本当にうれしかったですし、織田信勝の息子・信澄という大きな役を任せていただけたことを、とても幸せに感じています」と喜びを語り、「撮影現場は男子校のような雰囲気で、最初にご挨拶させていただいたときも、皆さんが「うぇーい!」と盛り上げてくださって(笑)。みんなで作り上げていこうという意気込みを感じましたし、とてもアットホームな環境でお芝居をさせていただきました」と撮影現場の様子を明かす。
同じ事務所の先輩でもある主演の小一郎役・仲野の印象を「(仲野)太賀さんは周囲への気配りが行き届いていて、誰にでも気さくに話しかけていらっしゃいます。現場にいるみんなを幸せにしたいという思いがひしひしと伝わってきて、とても尊敬する方です」と話す緒形。「また、秀吉役の池松(壮亮)さんとは、「本当の兄弟では?」と思うくらい、お芝居以外の場面でも仲が良く、その自然な関係性がそのまま映像にも表れているように感じます」
劇中で対峙する信長役の小栗旬については「自分にとっては憧れの存在」だといい、「その憧れは、信澄の信長への思いにも通じるものがあると感じています。信澄は信長を憎みながらも、同時に憧れと尊敬の念も抱いていたのではないかと感じていたので、その複雑な感情を大切にして演じました。小栗さんもとても気さくな方で、撮影の合間にもいろいろとお話させていただきました」と役へのアプローチに触れる。
12日放送・第27回では「本能寺の変」が描かれたが、緒形は信澄が信長に対して複雑な思いがあったことを推測する。
「今作では「兄弟」が大きなテーマとして描かれています。秀吉・小一郎らとは対照的な信長・信勝兄弟の関係性と共に、信澄も兄弟の因縁の流れをくむ重要な立ち位置にいる人物です。信澄は、母・ちよ(樋口日奈)から「必ずや信長を討て」「織田家を継げ」と、ある種刷り込まれるように言い聞かされて育ちました。その思いをずっと胸に秘めながらも信長に仕えているので、ミステリアスな雰囲気を大切にして演じました。ただその一方で、信長の存在はあまりにも大きく、自分もそこに到達したいという思いがあったはずです。だからこそ、どこかで敬う気持ちを持っていた。その上で父の無念を晴らすという信念も抱いている。そうした人間らしい揺れを大切にしながら演じました。それが、今回の信澄らしさにつながっていたらいいなと思います」
第27回では信澄が光秀に、信長に対する積年の憎悪を告白する場面もあり、緒形が爪痕を残す信澄像を体現した。


