「オメガホーン」「超ギャバン」クロスオーバーは「欠片が少しずつ掘り起こされるように」久慈麗人Pが語る【PROJECT R.E.D.】の今後

「オメガホーン」今後の展開はどうなる?主人公・炎のシャウト&角獣王・炎角
「オメガホーン」今後の展開はどうなる?主人公・炎のシャウト&角獣王・炎角 - (C)テレビ朝日・東映AG・東映

 “赤いヒーロー”が活躍し、作品ごとのキャラクターがクロスオーバーする東映の特撮映像シリーズ【PROJECT R.E.D.】。「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」(以降「超ギャバン」)に続く第2弾としてスタートした「角醒ハンター オメガホーン」は、人間と巨大な生命体・角獣(かくじゅう)の異色バディがハンターバトルを繰り広げる活劇譚だ。「超ギャバン」に続いて番組プロデューサーを務める久慈麗人(東映)がリモートインタビューに応じ、拡大する【PROJECT R.E.D.】の世界観、「角醒ハンター オメガホーン」の誕生秘話について語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

【動画インタビュー】「オメガホーン」イバル連合の凄腕ハンターが仲良しトーク!

 かつて地上を支配しながらも、ある時を境に「エゴルギア」と呼ばれる結晶に封じられた巨大生命体・角獣。現代では、拡声器型のアイテム「角醒器」を用いてその力を引き出す者たちが「ハンター」と呼ばれ、それぞれの夢や目的のためにバトルを繰り広げる。その日暮らしのトレジャーハンターである主人公・炎のシャウト(楢原聖)は、角醒器オメガホーンによって呼び覚まされた角獣王・炎角(国上将大)との出会いによって、キャプテン・オメガホーンとしてハンターバトルに身を投じていく。

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「超ギャバン」で得た手応えと【PROJECT R.E.D.】の方向性

(C)テレビ朝日・東映AG・東映

Q:【PROJECT R.E.D.】の第1弾「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」が、先月最終回を迎えました。視聴者の反響を含め、久慈プロデューサーの手応えはいかがですか?

 放送終了から1~2週間で、さまざまな反響をいただいています。手応えという意味では、僕たちが【PROJECT R.E.D.】のフィールドを拡げるためにやりたかったことは、しっかり達成できたのではないかと思っています。

 ただ、それは「超ギャバン」だけで完結するものではありません。【PROJECT R.E.D.】が「こういうアプローチをやってもいいんだ」という可能性を提示していく半年間であり、ここからさらに先へ進んでいくための最初のステップです。

 今まで触れてこなかったこと、やっていなかったことに挑戦したからこそ、「これをやるとこういう作用があるんだ」「こういう部分の準備が必要なんだ」といった、これまで光が当たっていなかった発見や課題が見えてきた感覚があります。

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Q:視聴者からは「もっと続きが見たい」という声も多く出ていますが、「超ギャバン」を全23話で制作した狙いは何だったのでしょうか?

 1つは、【PROJECT R.E.D.】というプロジェクトが次々と新しいヒーローを生み出していくというテンポ感を示すためです。これまでの作品と同じように、1つの番組内で追加戦士が登場するだけでは従来と変わりません。数年先を見据えたときに、【PROJECT R.E.D.】というフィールドの上にどれだけのヒーローを並び立たせていけるか、という視点にも立ちつつ、プロジェクトに必要な展開を仕込む意味がありました。

 もう1つは、現代の視聴スタイルへの適応です。リアルタイムだけでなく配信で一気見するスタイルが普及する中で、2クール(全23話程度)という尺であれば、新規参入のハードルが下がるのではないかと考えました。今後どこからでもプロジェクトを楽しむことができるようにするための工夫の1つです。

4足歩行の角獣が誕生した背景

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Q:【PROJECT R.E.D.】の第2弾として「角醒ハンター オメガホーン」を立ち上げた背景を教えてください。

 「超ギャバン」は過去のIPのリブートでありながら、「こういう企画開発をやってもいいんだ」という可能性の拡がりを示す役割でした。対して2作目は、スーパー戦隊でも仮面ライダーでもメタルヒーローでもない、完全新規IPにチャレンジしてみるタイミングだと捉えて企画をスタートしました。

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 また、1作目の「超ギャバン」と並び立った時にどう見えるかという視点も意識しました。ジャンルが近いものを並べるのではなく、見た目に差が出るものにしたいと考えたんです。特に、商材となる変形ロボ(※「超ギャバン」に登場するコスモギャバリオンGC-R)と並んだ時に何が並ぶと面白いかを考えた際、「怪獣」というアイデアが出てきました。

 バンダイさんとの打ち合わせで、最初はゴジラやゴモラのような「2足歩行の怪獣」のデザイン案ばかりだったのですが、そこで「4足歩行という方向性も探れますか?」と提案しました。「主役怪獣といえば2足歩行」という固定観念を外して、発想を広げてみたかったんです。結果的に、デザイナーさんや造型チームもそのチャレンジに乗ってくれて、魅力的な4足歩行怪獣が誕生しました。

Q: 角獣と人間のハンターをバディにするという設定は、どのような形で生まれたのでしょうか?

  まず、ギャバン・インフィニティと並び立つヒーローとして考えた際、成熟したヒーローにはしたくありませんでした。オールラウンダーなヒーローばかりが並んでも面白くありませんし、フォームチェンジで能力が変わるヒーローも別枠のヒーローと似てしまう。「PROJECT R.E.D.」の構想も意識して、「特定のスタイルに特化したヒーロー」を生み出したかったんです。

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 そこでモンスターテイマーという要素を取り入れました。これまでの怪獣作品やヒーロー作品とも違う形を目指した結果、現在の「人間×角獣のバディ」というスタイルに落ち着きました。

「声を上げるヒーロー」の重要性

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Q: 脚本は「超ギャバン」に続いて冨岡淳広さんが執筆されています。「オメガホーン」と「超ギャバン」のクロスオーバーを見据えた起用でもあるのでしょうか?

 企画段階から「絶対に同じ脚本家でなければいけない」と思っていたわけではありません。ただ、企画を詰めていく中で、このフィールドであれば「超ギャバン」では見せていなかった冨岡さんの別の引き出しを活かせるのではないかと考えました。作品の面白さを最大化するために、誰に書いてもらうのがベストかを考えた結果としての続投であり、クロスオーバー前提で選んだというよりは、作品単体としての相性を優先した結果です。

Q:「オメガホーン」の世界観構築において、意識されていることはありますか?

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 単体作品としてのテーマ性で言うと、メインアイテムである「角醒器」の使い方がポイントです。

 角醒器は角獣たちに指示を出す拡声器型のアイテムですが、「これが自分の言葉だ」「俺の話を聞け」と自ら主張していく姿勢が、現代のヒーロー性として非常にマッチしていると考えました。冨岡さんとも「声を上げるヒーローは良いね」という話になり、そこから発想を広げていきました。

 主人公のキャプテン・オメガホーンは、完成された強いヒーローではなく、声を上げていくことで成長し、行動範囲が広がっていく覚醒型のヒーローです。彼の姿を通して「声を上げなければ何も変わらないけれど、声を上げることで世界や時代すらひっくり返せる」というテーマを描きたかったんです。また、誰かが決めた常識に縛られず、自由や冒険を求めて飛び出していく精神性も意識しています。

Q:第1話から展開された個性豊かなハンター同士によるハンターバトルは、非常に新鮮でした。「オメガホーン」には、仮面ライダーシリーズにおけるショッカーのような、明確な敵組織は存在しないのでしょうか?

 いわゆる絶対的な「悪」となる組織はありません。ライバルポジションであるイバル連合・絶も、彼らなりの目的があって動いています。今回の作品では「正義と悪」ではなく「エゴとエゴのぶつかり合い」を描いて行きます。「俺が創りたい時代はこれだ!」という主張に対して、「本当にそんな時代でいいのか? 俺のやり方はこうだ!」とハンター同士のエゴが衝突していくのです。

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 本作は、ひとりの若者が声を上げ、エゴの強さを示し、行動を起こすことで、時代を動かしていく構造です。序盤はライバルであるイバル連合との対立軸で見ていただきつつ、ストーリーが進むにつれて、イバル連合も一枚岩ではない部分など、立場や関係性が変化していく展開を楽しんでいただければと思います。

第1話ラストの謎は!?「超ギャバン」とのクロスオーバー

(C)テレビ朝日・東映AG・東映

Q:「超ギャバン」で主演を務めた長田光平さんが、「鉄壁のレイジ」役で今作にも出演されることも話題となっています。前作の主演俳優を続投させるのは、企画当初からの狙いだったのでしょうか?

 企画当初から決まっていたわけではなく、企画を進めていく中で生まれたアイデアでした。今の反響を見ると、やってよかったと思っています。「超ギャバン」で長田くんが積み上げてくれたものが非常に良い形で機能しています。

 鉄壁のレイジと「超ギャバン」の主人公・弩城怜慈が同一人物なのかどうかも含めて、楽しんでいただきたいですね。「超ギャバン」を見ていなかった方でも問題なく楽しめるように意識していますが、今作をきっかけに、「超ギャバン」に遡っていただくような良いサイクルが生まれると、【PROJECT R.E.D.】としての意味も大きくなると感じています。

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Q:第1話のラストに墜落したコスモギャバリオンが登場し、ファンの間で考察が盛り上がっています。あのシーンの謎は、今後「オメガホーン」本編で回収されていくのでしょうか?

 表現としては、あの時代においては非常に古い「遺跡」のようになってしまったコスモギャバリオンとして捉えていただきたいです。よく見ると、コスモギャバリオンが地面に埋まって錆びついているのがわかります。

 なぜコスモギャバリオンがそんな古い姿で存在するのかという点や、「オメガホーン」が描く超古代と現代という2つの時代に「超ギャバン」の世界がどう絡んでいくのかは、今後の物語の中で明かされ、回収されていきます。コスモギャバリオン自体の謎というよりは、「なぜあの文明の時代がああいう状態になっているのか」という視点で注目していただければと思います。

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Q:第2話のラストでは、ギャバン・ルミナス&ギャバン・ブシドーも登場しました。「オメガホーン」「超ギャバン」のクロスオーバーは今後、どのように展開されるのでしょうか?

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 基本的に「超ギャバン」のキャラクターたちが、すぐに「オメガホーン」の世界観に合流するのではなく、作品のつながりを示す欠片が少しずつ掘り起こされるようにクロスオーバーさせていきます。なので、全ての答えがすぐに明かされるわけではありません。

 「超ギャバン」チームは、作中でヒントのようにスポットで登場し、ある時期やタイミングを境に、より深く「オメガホーン」の物語と交差していく形になります。そのための伏線やヒントを拾いながら、作品世界を楽しんでいただければと思います。

 また、「PROJECT R.E.D.チャンネル」(YouTube)などで展開される「超宇宙刑事ギャバンインフィニティ 外伝」を観ていただくことで、本編の解像度を上げることができるようにもなっています。このような試みから、「プロジェクトが拡がっていく可能性」を感じていただければと思います。

Q:最後に、今作を通して視聴者の皆さんに伝えたいメッセージ、子どもたちに注目してほしいポイントを教えてください。

 まずは「自分が言いたいこと・やりたいことを言葉にしてみよう」ということです。声を上げるためには、自分の内面と向き合い、考えを言葉として紡ぐ必要があります。

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 今作における「エゴ」とは、自分勝手やわがままという意味ではありません。他人のエゴも聞いたうえで、自分のやりたいことや意志をしっかり持ち貫いていくということです。人任せにするのではなく、自分で自分の時代を作っていく感覚を持ってほしいと思っています。これから到来するであろうAI時代においても、「自分が何をしたいか」という意志だけはAIが決めることはできません。

 特に子どもたちには、年齢や立場に関係なく、「大人やライバルに負けないくらい強い自分のエゴを持って時代に向き合ってほしい」という想いを込めています。視聴者の皆さんの中にある熱いハンター魂に火を点けることができたら嬉しいです。

「角醒ハンター オメガホーン」は毎週日曜午前9時30分~テレビ朝日系にて放送中

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