本木雅弘、「ガス人間」で俳優デビューした長男UTAへの思い

俳優の本木雅弘が22日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『八月の声を運ぶ男』の公開記念舞台あいさつに登壇。Netflixで配信中のドラマシリーズ「ガス人間」でガス人間役を務め、俳優デビューを果たしたモデルの長男UTAへの思いを語った。
本木はUTAについて、「くしくも同じ俳優の道を選ぶことになってしまったんですけれども、教育という面では割と本人任せ、母親(内田也哉子)任せみたいなところがあり、わたしが言う筋合いはないんですけど」と前置きしながらも、「でも、わたしの思いとしては、逆に同じ俳優になったことで、自分自身がそうであったように作品を通じて人間の幅を広げていってくれるとうれしい」とエールを送る。
本木はまた、「わたしも15歳からこの世界に入って、正直中卒で、きちんと学校で歴史を学んだりはしていないんです。ですが、さまざまな作品に出会って、それに関連する本を読むことによって、いろんな歴史とか、人間の奥底に潜むものの、奇妙さ、面白さ、魅力みたいなものを作品から教えてもらいました」と述べ、「UTAもいろんな役を頂くことによって、いろんなこと、役で生きた時代について学び、人間の幅を広げてほしい」と話していた。
本作は被爆者の声を集め続けたジャーナリスト・伊藤明彦のノンフィクション「未来からの遺言 ある被爆者体験の伝記」を原案にした作品で、2025年8月にNHKの戦後80年ドラマとして放送され反響を呼んだ作品に未公開シーンを追加した劇場版。1972年、日本全国を回って被爆者の声を集め始める長崎の放送局出身のジャーナリスト・辻原保(本木)が九野和平(阿部サダヲ)という被爆者と出会い、彼が語る体験を通じて被爆者の真実に迫る内容となっている。この日は本木、阿部のほか、本作のメガホンをとった柴田岳志監督も登壇した。
本木は「監督の柴田さんと一緒に仕事をするのは『坂の上の雲』(2009)以来。(脚本の)池端(俊策)先生とも『聖徳太子』(2001)以来で25年来のお付き合いがある」と感慨深げに述べ、本作のプロデューサーの松本太一が30代という若い世代だったことにも言及。
「戦争を知らない世代の方が、この原作に興味を持って映像化したいって思ったこと自体が、もう出来事として素晴らしいなって思った。そういう意味で、伊藤さんが費やした8年という年月を、全て詰め込むことはできないんですけれども、まあ、そこにかけた思い、願いみたいなものを感じながら、演技に強い思いを込めた」と撮影を振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『八月の声を運ぶ男』は公開中



