演技で泣くには?二階堂ふみ、役所広司から受けたアドバイスを子役たちに伝える

俳優の二階堂ふみが16日、新宿ピカデリーで行われた映画『わたしの知らない子どもたち』(公開中)初日舞台あいさつに、小八重葵美、羽山由一郎、小林丞之介、渋谷そらじ、そして西川美和監督と共に登壇。二階堂は自身のスクリーンデビュー作となった作品での役所広司とのエピソードを明かし、子役たちに思いを伝えていた。
本作は、映画『すばらしき世界』『永い言い訳』などの西川美和監督が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品。終戦直後の日本を舞台に、過酷な社会を生き抜くために、少年として生きることを決意した12歳の茅野琴子(小八重)と、かつて琴子が疎開した学校の教師・曽根文美子(二階堂)が懸命に生きる姿を描く。
大きな拍手で迎えられた二階堂は「初めて西川監督から作品の話を聞いたときから、撮影中もずっと早く多くの方に届けたいと思っていたので、こうして映画が公開され、ご覧になった方と顔を合わせるのを楽しみにしていました。温かく迎えてくださって嬉しいです」と感無量な表情を浮かべる。
撮影前、西川監督から「子どもたちが主役の映画です」と聞いていたという二階堂は「戦後80年以上が経過し、自分たちの過去にエンタメを通して向き合うこと、作り続けることはとても重要なことだと思います」と述べると「もともと西川監督のファンであり、監督の作品を観たいと思っていました。台本をいただいたとき、声を持てなかった人の話だと感じました。その人たちに思いを寄せられる映画になったらいいなと思って参加しました」と作品に向き合う思いを語っていた。
約500名のオーディションから選ばれた小八重は、二階堂と共に主演を務める大役を得た。小八重は「この映画をきっかけに、考え方が変わりました」と大きな影響を受けたことを明かすと「二階堂さんにとって生き方や考え方が変わった作品との出会いは?」と質問。
二階堂は「そうだな……」と考えると「私にとってこの作品は、改めて人生や生き方に大きな影響を与えてもらった映画になりました」と回答する。また、羽山から「泣くシーンが難しかった。涙を流したり浮かべたりするシーンは、どうやって演じたらいいのですか?」と質問が。
二階堂は笑顔で羽山を見て「私は同じ質問を役所広司さんにしました」と本作にも出演している役所の名を挙げ、自身のスクリーンデビュー作となった『ガマの油』(2009)を述懐。「私が映画デビューした作品の監督が役所さんだったんです。たくさんリハーサルをして臨んだ作品でしたが、そのとき私は役所さんに『泣くのはどうしたらいいのですか?』と質問しました。役所さんは『泣くのは難しいよね』と言うと『泣くことが大事ではなく、一つ一つの感情に向き合った結果、自然と涙が出るかもしれない。でも出なくてもそれが答えなんだよ』と仰ってくれたんです」とエピソードを披露した。
続けて二階堂は「泣くのを意識するのではなく、そのときのキャラクターがどういう感情なのかを大事にしています」と優しく諭すと、羽山は「ありがとうございます」と羨望の眼差しを向けていた。
子役たちの熱い思いを受けた二階堂は「いろいろ聞いてくれてありがとうございます」と感謝。「みんなで力を合わせて作った作品を届けられて嬉しいです。この映画を通じて、いまも世界中のどこかにいる戦争孤児、戦争のなかで生きている方々に思いを寄せる時間を作っていただければ」と作品に込められたメッセージを伝えていた。(磯部正和)



