『ゴジラ-0.0』スタジアムの次はダムで収録 迫力の咆哮を生んだ規格外ロケの裏側

迫力の咆哮はぜひ劇場で体感したい
迫力の咆哮はぜひ劇場で体感したい - (C) 2026 TOHO

 世界的な評価を獲得した映画『ゴジラ-1.0』(2023)において、アカデミー賞視覚効果賞に輝く映像と並んで、圧倒的な臨場感を生み出したのが音響効果だ。前作では、ZOZOマリンスタジアムにオリジナル版のゴジラの咆哮を響かせて音を収録したというエピソードが話題を呼んだが、最新作『ゴジラ-0.0』では、さらに規格外のロケーションが選ばれたという。前作に続いて音響効果を手掛けた井上奈津子氏が、その舞台裏と試行錯誤のドラマを明かした。

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 制作にあたり、“ゴジラの音”については、山崎監督から前作と同じ方向性を求められたという井上氏。そのため、ゴジラの咆哮には前作と同じオリジナル版の鳴き声を使用した。

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 鳴き声こそ同じだが、井上氏をはじめ音響スタッフが、これまでにない“響き”を求めて向かったのが、神奈川県の宮ヶ瀬ダム。ダムの放水壁面の向かいにある観覧用の橋に大型スピーカーを設置して、鳴き声の反響が録音された。井上氏は「録音技師の竹内さんからダムの壁に鳴き声をぶち当てるのはどう? と言われて、最高ですね!! と答えました」とフットワークの軽い現場を振り返る。

 「ZOZOマリンさんではスタジアムにスピーカーがあったので、メインスピーカーを使用させていただきゴジラの鳴き声を鳴らしたのですが、ダムにはスピーカーがないので持ち込みました。フランスのNEXOというブランドの屋外のライブで使用するようなスピーカーをみんなで運んでダムの壁面の前にある橋の真ん中に組み上げて、爆音を出してダムにぶち立てて(笑)」

 まさにゴジラらしい規格外のアイデアだが、現実はそううまくいかなかったという。「実際にやってみると、綺麗に音は響くんですが、ZOZOマリンで録った感じと似ているんです。もっと違う音を求めていたのにどうしよう……となった時に、もっと近距離でぶつければ違う音になるんじゃないかと。そこでスピーカーを解体して壁ギリギリまで近づけてボリュームマックスで音をぶつけました」

 巨大な存在に向き合った、まさに怪獣映画そのものの収録現場。挑戦の甲斐あって「やってみたら、声の低い部分だけが増幅されたような、不思議な響きが録れたんです。まさにキングギドラの太い首や、ゴジラの大きなおなかから発せられているように聞こえました。特徴的な響きの素材も欲しかったのですが、一番の目的は現実世界には存在していないゴジラとキングギドラの鳴き声をこの世界に響かせたかった。その空気の音ごと収録した響きには説得力があり、『ゴジラ-0.0』の世界との接着剤の様な役割をしてくれています。音ロケに参加してくれた素晴らしいメンバーのおかげて最高の音を収録することが出来ました!」

 シリーズ初の“Filmed for IMAX”作品にして、音が客席を包み込む Dolby Atmos で制作された本作。巨大ダムで生まれた咆哮を劇場で体の芯から体感するのも一興だ。(編集部・入倉功一)

映画『ゴジラ-0.0』は全国公開中

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