神木隆之介&浜辺美波『ゴジラ-0.0』に感嘆 あの結末からどうつなげる?重圧を打ち破った純粋な面白さ

国内外で高い評価を獲得し第96回アカデミー賞視覚効果賞にも輝いた『ゴジラ-1.0』(2023)に続く最新作『ゴジラ-0.0』。戦後復興期の日本を舞台に、再び絶望に立ち向かう人々を描いたスペクタクル大作だ。ゴジラの脅威に立ち上がる敷島浩一とその妻・典子を演じたのが神木隆之介と浜辺美波。前作に続いて主演を務めた二人が、作品に込めた思いや山崎貴監督とのコラボレートなどその舞台裏を語った。(取材・文:神武団四郎)
【画像】『ゴジラ-0.0』かわいい!神木隆之介&浜辺美波インタビュー撮り下ろし
噂が現実になった『ゴジラ-0.0』
Q:はじめて『ゴジラ-0.0』のお話を聞いた時、どう感じられましたか?
神木隆之介(以下、神木):素直に嬉しかったですね。『ゴジラ-1.0』は大好きな作品の一つなので、また出られるという嬉しさと、山崎組とご一緒できるのも嬉しかったです。2作目ということもありプレッシャーは1作目より強く感じましたが、みんなに会えるのはすごく楽しみでした。
浜辺美波(以下、浜辺):私もまずは嬉しかったのですが、一番強い感情は驚きでした。前作は謎を残しつつ完結していたと勝手に思っていたので、あそこからどう物語をつなげるのだろう? と。でも脚本を読んでみるとすごく面白かったしワクワクしたので、これなら大丈夫と勝手に安心していました(笑)。
Q:最初に製作決定を聞いたのはいつ頃だったか覚えていますか?
神木:撮影する1年前ぐらいだったと思います。でも『-1.0』が公開されて少し経った頃に噂だけは聞いていて、その後しばらくして「本当に来た!」みたいな。
浜辺:噂は早くに回っていましたよね。こそっと耳打ちで「聞きました?」って(笑)。
Q:前作は国内外で大ヒットし高く評価されましたが、その理由は何だと思いますか?
神木:もちろん白組の皆さんがアカデミー視覚効果賞を取ったこともあります。またVFXがすごいと同時に家族の話を描いているのがすごくいい、という声が海外でも多かったと聞きました。それを両立させることができた監督のバランス感じゃないでしょうか。ゴジラはコンテンツとして確立されていると思うので、「ゴジラはゴジラ」としてあり、物語が乖離してもおかしくないじゃないですか。でも映画の中では人々の生活があって、その上でゴジラが出てきます。現実の世界に出てきたかのように描いたからこそ、皆さんに楽しんでいただける作品になれたのかなと思います。さすが「世界のタカシ」ですね(笑)。
浜辺:私も同じです。ゴジラとの戦いは楽しめましたし、人間ドラマに感動したよと現場で声をかけていただけることがとても多かったです。そこも『-1.0』の見どころじゃないかと思います。監督のゴジラと人間パートのバランス感は、監督のゴジラ愛があるからこそで、そんな思いがあるからこそいろんな方に楽しんでいただける作品に繋がったのだと思います。“タカシさん”が作ったからこその高評価だったと思います。
Q:みなさんタカシとかタカシさんと呼んでるんですか?
神木:監督だったりタカシだったり、世界のタカシやタカスィとか(笑)。舞台あいさつでは監督ですし、いっぱい呼び方があるんです。
浜辺:公の場では、いちおう山崎さんって呼んでいます。とっても優しい方ですし、いじると笑顔が弾けるんです(笑)。
神木:プロモーションでロサンゼルスやニューヨークに行ったとき、「これから永遠にいじりますので」と言ったら嬉しそうに「別にいいんだけど」みたいな(笑)。
明子の成長に驚き!存在が助けに
Q:敷島家のドラマはさらに盛り上がっていますが、脚本を読んだときどう感じましたか?
神木:素直に「良かったな……敷島」と思いましたね。前作では、脆くて消えてしまいそうだった敷島が典子のために生きたいと思うまでに変わりました。今回は敷島の中で確実に守りたいと思うものができ、典子や明子からも必要とされる存在になれていたのにまず安心しました。前作の約2年後の設定なので、その間の変化を表情や目、しゃべり方でどう表現するかが勝負どころだと思いました。
浜辺:私は、まずは面白い! と思いました。完結させたストーリーを続けていくのは難しかったと思いますが、純粋に面白かったです。キングギドラに対し人間側がどうやって倒すか計画する姿も熱かったです。人間ドラマはすごく胸に染み渡りました。前作があったからこそ感情移入して本を読むことができましたし、家族としての形が続いていることが本当に嬉しかったです。
Q:敷島、典子、明子は本当の家族のように一体感を感じました。何か心がけたことはありましたか?
神木:待ち時間を含め、3人で一緒にいる時間が長かったのが大きかったかもしれないですね。あと明子がすごく大きくなって自分から話しかけてくるようになったので、その雰囲気のまま自然に撮っていけました。リハーサルをしたのもラストシーンくらいだよね。
浜辺:やりましたね。ラストシーンだけやらされ……。
神木:やらされたって言いましたね(笑)。
浜辺:だって(いきなり)ラストは。恥ずかしくなってしまうんですよ……。
神木:それはすごくわかる。(物語を)積み重ねてのラストシーンだからね。でもリハーサルはそれぐらいで。現場で自然と関係性はできました。
浜辺:監督からは、家族として過ごした2年間を感じられること、典子が母親に見えることを大切にしてほしいと最初に言われました。明子は自分が産んだ子供ではないけれど、距離感や母としての自覚とか観た人が自然に感じられるようにいてほしいって。ふだん小さな子供と触れ合うことがほぼないので、どうやったらいいのか模索しました。ただ前作ではシャイだった明子(演・永谷咲笑さん)が、成長してすごく社交的になったんです。めちゃめちゃしゃべるようになりましたし、天真爛漫な明子の存在はかなり大きかったです。
神木:覚醒していましたね。監督の言うことを的確に表現して。
浜辺:この2年ぐらいで、自分の中のスイッチを見つけたみたい。明子の存在は大きかったです。
“世界のタカシ”の演出は擬音多め?
Q:撮影を通してどんなことを感じましたか?
神木:僕はすごくやりやすかったです。前作の敷島はすごくマイナスな感情で、つねに存在否定をし続けないといけなかったので、気持ち的に大変でした。今作の敷島は「家族を守るんだ」という、ある種プラスの感情で行動していましたから。なので、こういう表現してみようとか、いろいろと考える余裕があったように思います。
浜辺:前作では典子の「生きてさえいれば」「生きてこそ」という言葉が自分の中でしっくりきていたんです。戦争が終わって、這いつくばり泥だらけの地面を見ちゃいそうな中、なんとか顔を上げて必死に生きているような状態でした。今回は自分の足で立てるような、前より少し希望がある状態だったと思います。家族という命を落としてでも守りたいものがあるおかげで、一人だったらできなかったことができるようになった。そこが大きな違いですし、典子のすべての行動の軸になっていたと思います。
Q:重いテーマも背負っていますが、山崎監督とは何かお話ししましたか?
神木:最初に「家族がテーマです」というお話しはいただきましたが、あとは各シーンの演技指導ぐらいで特になかったですね。信頼していただいたのかもしれないですし、台本を読むと敷島家が背負っていることをきちんと表現できたら映画の一部になれると感じたので。まずは我々が受け取ったことをうまく表現できたらと思って臨みました。
浜辺:監督は講義をするタイプではないので、現場でのご指導とさっきの家族に見えるように、母親に見えるようにという大枠ぐらいでした。あとは「ここはね、VFXを使ってこうなるんだよ」と楽しそうにお話しされていた印象がほとんどです(笑)。
Q:多くの映画やドラマの現場を経験されていますが、山崎監督ならではと感じることは何ですか?
神木:それこそ擬音が多いとか。もうちょっとガーっと! みたいな(笑)。
浜辺:もっと中からグワー! って、ガクガク! とか(笑)。演技指導に擬音が多いですけど、擬音だと疲れていても脳みそにスッと入ってくるんです。
神木:監督は少年みたいな方なので、他の作品でもそうですけど作品を誰よりも愛して、もっともっと面白いもの作りたいって純粋な気持ちでいらっしゃる。だからチームも「この人をもっと喜ばせたい」という気持ちになって士気が上がるんですよ。監督が盛り上がるだけで現場の士気が上がってくる、素敵な現場だなと思います。
浜辺:撮影チームが初監督作品からほぼ変わってないらしく、チーム感や団結力をすごく感じました。現場の空気はすごくいいし、安心感もすごくあります。監督はちょっと口下手な節もあると思うんですけど、それ以上に温かさが伝わってくる方なのでどんなに大変な現場でも居心地がいいです。
Q:映画を楽しみにしている人たちにメッセージをお願いします。
神木:純粋に楽しんでいただけたら嬉しいですね。いろんなメッセージもありますが、どう受け取って欲しいというより、もう純粋に楽しんでいただけたらなと。そのまま観ても楽しめますし、『-1.0』を観るとより楽しめると思います。何より前作では山崎貴監督でしたが、今回は「世界のタカシ」になって撮った作品なのでその気合を受け止めていただけたら嬉しいなと思っております。
浜辺:肩書き変わっただけじゃん(笑)。前作は本当にたくさんの方に愛していただき、それをチームみんなが知っているからこそ、前作を超えて楽しんでいただける作品にしようと一致団結して取り組みました。“マイナスシリーズ”でしかできない映像体験が詰まっていますので、ぜひ大きなスクリーンで観ていただきたいです。
映画『ゴジラ-0.0』は全国公開中



