ジョナサン(イライジャ・ウッド)の生きがいは「収集」。それは趣味という領域を超えライフワークだ。何を収集しているかはあまり人に胸を張って言えるものではない。それは祖母の入れ歯、兄が使ったコンドーム、父が捨てた何かの半券、亡き祖父の遺したペンダトヘッド……などなど、「家族のもの」を収集している。
他人にとってはどーでもよさそうなものをジョナサンは透明なビニール袋にパッキングして、いつでも見ることができるように部屋の壁に貼りつけている。それはまるで駄菓子屋に陳列された色とりどりのお菓子のように無秩序に、どこかさびしげで……それでいて精一杯何かを主張している。
ジョナサンにとってこれらの物を集めるのは何の意味があるのだろう? ジョナサン自身もそれが分からないでいる。わたしたちにも思いあたることがある。なぜだか分からないが無性に何かにかきたてられるとき、なぜか繰り返してしまう癖など、その行為自体に理由を探すことなんかできない。でも、もしそれを見つけることができたら? この映画はそんな自分探しの物語だ。ジョナサンはある思いを秘めて旅にでる。 |
 |