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ここにもあそこにも!名脇役ウィリアム・フィクトナーを再発見

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Francois G. Durand / WireImage / Geety Images

 「プリズン・ブレイク」のあの人でしょ? いや、それだけじゃない! 気のいい軍人から極悪非道の悪役まで、なんでもこなす名脇役ウィリアム・フィクトナーの軌跡を振り返ってみました。大ヒット映画の陰には必ずフィクトナーがいた!?(編集部・入倉功一)

■実は遅咲き映画俳優だった

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実は映画デビューは遅めだったフィクトナー。Fox Broadcasting Co. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 フィクトナーは1956年11月27日生まれで60歳の還暦。ニューヨークのロングアイランド出身のドイツ系アメリカ人です。高校を卒業後、大学で刑事司法の学士号を取得。演劇学校アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツで演技を学び、1987年からテレビの仕事をするようになります。

 初めてのメジャー映画の仕事は1992年に端役を務めた『マルコムX』ですが、そのときの出演シーンはカット。1994年にようやく『クイズ・ショウ』で小さな役を得ますが、JaredMobarak.comのインタビューによると、フィクトナー本人は本格的なフィルムデビュー作にカウントしていないようです。確かにフィクトナーファンでも言われないと気づかないと思います。

 そして1995年、スティーヴン・ソダーバーグ監督の『蒼い記憶』でようやく名前のあるキャラクターを演じることに。この時点で39歳。今でこそ“気づいたらいる”俳優の代表フィクトナーですが、映画界デビューは遅めでした。しかしここから、大ヒット監督と組みまくり、名脇役ぶりを発揮していきます。

■ヒットメーカーと連続タッグ!

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『アルマゲドン』が大きな転機に? 右から2番目がフィクトナー。Touchstone / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ソダーバーグ作品に続き、大きな役ではないですが、キャスリン・ビグロー監督(『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』)にマイケル・マン監督(『インサイダー』『コラテラル』)と、ヒットメーカーの作品に立て続けに出演。特にマン監督の『ヒート』では、主人公のニール(ロバート・デ・ニーロ)を裏切る悪徳金融業者を演じ、最後はニールに銃弾を叩き込まれて上下スウエット姿で吹っ飛ぶシーンも印象的です。

 ロバート・ゼメキス監督の『コンタクト』で盲人役を務めた後、マイケル・ベイ監督の超大作『アルマゲドン』に出演。地球目がけて落ちてくる小惑星の爆破任務についた主人公ハリー(ブルース・ウィリス)をはじめとする石油採掘の専門家たちに同行する、アメリカ空軍の大佐ウィリー・シャープを演じます。

 規律を重んじるあまり、ことごとくハリーと対立するシャープ大佐ですが、やがて信念を持ったハリーの行動に心を動かされていくことに。そしてラスト、ハリーの娘グレース(リヴ・タイラー)に向かって「地球で最も勇敢だった方のお嬢さんと握手をさせてください」と告げるシーンは号泣必至の名場面です。

■実はイイやつキャラでブレイク!

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日本でも多くのファンを生んだ「プリズン・ブレイク」のマホーン。FOX / Photofest / ゲッティ イメージズ

 フィクトナーの顔を日本のお茶の間にまで広めた海外ドラマといえば、天才脱獄犯マイケル(ウェントワース・ミラー)の活躍を描いた「プリズン・ブレイク」です。彼が演じたマホーンは、マイケルに匹敵する天才FBI捜査官として登場し、マイケルを追い詰める憎々しい存在でしたが、徐々に背景が明らかになっていき、その後のシーズンでマイケルの味方になるころには、多くのファンが「マホーンかっこいいじゃん!」とノックアウトされてしまいました。

 敵だったヤツが味方になるジャンプキャラ的な役どころですが、人気の理由は、爬虫類系のちょっと怖い顔のせいで冷たく見える一方で、笑顔はとても人懐っこいフィクトナーの魅力がキャラクターにバッチリはまったからでしょう。そして、そのターニングポイントになった役こそ、嫌なヤツだったけど最後は号泣させられた、『アルマゲドン』のシャープ大佐だったのではないでしょうか。

■チョイ役を極めた?『ダークナイト』

 「プリズン・ブレイク」と前後しますが、『アルマゲドン』以降も『パーフェクト ストーム』『パール・ハーバー』『リベリオン』などヒット作に出演。何か見たことがある存在として顔を広めていきます。『ブラックホーク・ダウン』では米軍極秘部隊デルタの屈強な隊員を演じ、本格派のアクションをこなせることも証明してみせました。

 そして2008年に、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』に出演。映画の冒頭、銀行を襲撃したジョーカー(ヒース・レジャー)たちに向かって、スーツ姿でショットガンをぶっ放すも返り討ちに遭ってしまう銀行のマネージャーを演じます。アカデミー賞助演男優賞に輝いたヒース版ジョーカーの初顔見せシーンでもあり、そのインパクトは絶大です。

 フィクトナー演じるマネージャーは、ジョーカーによって口にグレネード(手りゅう弾)を突っ込まれてしまいますが、いざ爆発してみると、実はそれがスモークグレネードだと判明。その瞬間に発せられるフィクトナーの絶妙に情けない「ボフゥ」という声と安堵の表情は必見。デビュー当時と同じく役名がないキャラクターでありながら多くの人の記憶に残った、まさに究極のチョイ役だったと言えるでしょう。

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奥さんで女優のキンバリー・カリムと。キレイ! Axelle / Bauer-Griffin / FilmMagic / Geety Images

 「プリズン・ブレイク」が終了した現在も、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』『ミュータント・タートルズ』『ドライブ・アングリー3D』(これも最初は敵だけど最後はイイやつっぽく終わる)など出演作が目白押しのフィクトナー。2018年には『コールド・ブルック(原題) / Cold Brook』という新作で監督デビューを飾ることになっていて、60歳にしてますます脂がのっている様子。ハリウッド映画のそこかしこで、クールなまなざしと素敵な笑顔を見せてほしいところです。

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