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艦長がアツい漢ばかり!潜水艦映画特集

 潜水艦では多くのクルーが任務を遂行するために、各々がプロフェッショナルな仕事をしています。そのクルーを一つにまとめ上げ進むべき方向を指し示すのが艦長。強力なリーダーシップが求められることは当然です。『ハンターキラー 潜航せよ』でもジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)艦長が下す決断は、並の心臓の持ち主には、とうていすることができないものばかりです。責任が重い割には即座な判断が求められる艦長は時にかっこよく、人間的で哀愁や悲壮感など、リーダーであるべき人間のありとあらゆるものを背負っています。潜水艦を舞台にした映画は、そんな艦長をはじめクルーの人間性がより浮き彫りになることから名作が多いといえます。ここでは艦長が、アツくかっこいい名作潜水艦映画を取り上げてみます。(文・西野悦子)

『ハンターキラー 潜航せよ』(2019)

ハンターキラー 潜航せよ
俺たちジョー・グラス艦長についていきます! Summit Entertainment / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)

海軍学校を出ておらず、たたき上げだが、現場力が高く緻密な計算力と野生的な勘の鋭さで見事な決断を下していく。

潜水艦:ハンターキラー(攻撃型原子力潜水艦)

「ハンターキラー 潜航せよ」(ジョージ・ウォーレス、ドン・キース:著)のベストセラー小説を『ワイルド・スピード』シリーズ製作陣がアメリカ国防総省、海軍の全面協力のもと、壮大なアクションに仕立て上げた。ロシア近海で消息を絶ったアメリカ原潜の捜索に出た潜水艦ハンター・キラーが世界を揺るがす巨大な陰謀に遭遇する。サスペンスアクションとしてだけでなく、アツい漢(オトコ)映画としても見応えたっぷり。旬な名優ゲイリー・オールドマンも総合参謀本部長を演じる。『グリーンブック』のリンダ・カーデリーニも出演。

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『U・ボート』(1981)

U・ボート
中央が艦長 Triumph Releasing Corporation Photographer: Karl-Heinz Vogelmann / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:ヘル・カピテーンロイトナント(ユルゲン・プロホノフ)  

作戦立案能力と危機回避能力は天才的。海軍大尉ではあるが、上からの命令には冷ややかに対応する反面、部下には優しい。どのような状況に陥っても冷静な決断を下す。

潜水艦:ドイツ海軍Uボート潜水艦U96

ナチス占領下のフランスから連合国護送船団を攻撃すべく出航したU96は激戦の末やっとのことで生き延びるが、それもつかの間、さらにジブラルタル海峡を突破してイタリアを目指せとの指令が出る。厳しい状況下で任務に励むが……衝撃の結末が待ち受ける。ウォルフガング・ペーターゼン監督のアカデミー賞6部門にノミネートまでされた潜水艦映画の金字塔

『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)

レッド・オクトーバーを追え!
ショーン・コネリーのラミウス艦長がカッコイイ! Paramount Pictures / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:マルコ・ラミウス(ショーン・コネリー

冷戦時代、ソ連から米国への政治亡命を、レッドオクトーバーを手土産にするつもりで出航する。ソ連海軍潜水艦からの撃沈をかわしたり、沈没を装ったりと渋く知的にリーダーシップをみせる。

潜水艦:レッドオクトーバー(ソ連最新鋭原子力潜水艦)

冷戦時代、大西洋で突然消えたソ連のレッド・オクトーバーをめぐる男たちの軍事スリラーサスペンス。理由は米国への攻撃なのか、あるいは亡命か? CIAのジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)は彼らの行動の意図を探っていく。原作・監督・撮影もパワフルネーム勢ぞろい。クルー同志の葛藤に加え、破壊工作員がいたり、嵐に襲われたりと奮闘するショーン・コネリーがかっこいい。後にジャック・ライアンシリーズとして人気シリーズになっていくトム・クランシー初の長編小説の映画化。

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『Uボート 最後の決断』(2004)

艦長:ヨナス・ヘルト(ティル・シュヴァイガー) ベテランで百戦錬磨。判断力も的確だが、苦しい立場に立たされる。

潜水艦:Uボート:U-429ウルフパック

艦長:ランダル“ランド”・サリヴァン(スコット・カーン) 艦長任務が初めてのため、やる気は満々だがクルーからの信頼度はいま一つ。

潜水艦:ソードフィッシュ号(米国海軍)

二次世界大戦中の1943年の大西洋。独Uボートと米ソードフィッシュが闘っていたが、後者が魚雷で撃沈され、少ない生存者はUボートに助けられ捕虜に。狭い艦内での伝染病の蔓延やさまざまなトラブルが勃発し、物語はスリリングに進む。

『U-571』(2000)

U-571
ジョン・ボン・ジョヴィが乗組員に! Paramount Pictures / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:ギュンター・バスナー(トーマス・クレッチマン

いったんは作戦を成功させるもツメのあまさが悲惨な結果を招く。しかし、責任感の強さはさすがベテラン艦長だけあって涙もの。

大尉:アンドリュー・タイラー(マシュー・マコノヒー

艦長に選ばれず、ふて腐れていたが後にリーダーに抜擢され、過酷な状況下で冷静に指揮をとる。

潜水艦:S-33(Uボートに偽装、救援を装ってU-571を乗っ取り、ドイツ軍の最新暗号機エニグマを奪取する作戦に出る)

1942年、英駆逐艦に撃墜された独Uボートの救難信号を傍受した米国が潜水艦S-33をUボートに偽装し救助を装いU-571を乗っ取り独のエニグマ(暗号)を奪取しようとする。しかし、途中で本物のUボートによりS-33は撃沈され……。故ビル・パクストンハーヴェイ・カイテルジョン・ボン・ジョヴィと豪華キャスト。

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『ローレライ』(2005)

艦長:絹見真一(堤真一

生粋の潜水艦乗りだが事情により下院学校で教育中に艦長抜擢された。無口で堅物だが潜水艦乗りのプライドもあり癖のあるクルーのリーダーとして奮闘。

潜水艦:ドイツからの譲渡潜水艦(「ローレライシステム」搭載)

1945年8月7日(広島原爆翌日)、第二の原爆を阻止するためなどの理由で日本帝国海軍が「ローレライシステム」を積んだ同盟国ドイツから譲渡された潜水艦を横須賀から出航させた。妻夫木聡、堤真一、ラッパーKREVA等共演。福井晴敏「終戦のローレライ」を映画化。

『K-19』(2002)

K-19
ハリソン・フォード vs. リーアム・ニーソン Paramount Pictures / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:アレクセイ・ボストリコフ(ハリソン・フォード

部下から信頼の厚い副長とは違い、クルーの安全より国策を優先するタイプ。数々の知的なアイデアで突き進めるが、密室に加え核汚染の緊迫した状況下ではマイルドな副長との対比がストーリーに深みを加える。

副長:ミハイル・ポレーニン(リーアム・ニーソン)潜水艦:K-19 上層部と衝突し艦長から副長に格下げされる。しかし、副長就任後は忠実に艦長に仕える。

潜水艦:K-19(ソ連原子力潜水艦。後に未亡人製造艦(Window maker)と不吉視された。ホテル級でもある)

ハート・ロッカー』でアカデミー賞を獲得したキャスリン・ビグロー監督作。1961年の史実を基にソ連原子力潜水艦K-19で放射能事故を描く。ハリソン・フォード演じる艦長とリーアム・ニーソンの副長との指導者間の葛藤も。リアル英雄と讃えられている彼らの真実は如何に? 『パイレーツオブカリビアン 呪われた海賊たち』で名を挙げたクラウス・バデルトの音楽も冴えわたる。

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『クリムゾン・タイド』(1995)

クリムゾン・タイド
ジーン・ハックマン vs. デンゼル・ワシントン Buena Vista Pictures Photographer / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:フランク・ラムジー(ジーン・ハックマン)

たたき上げかつ自信過剰。ルールも無視しやりたい放題。ハーバード卒のエリート少佐と対立。

少佐:ロン・ハンター(デンゼル・ワシントン)潜水艦:アラバマ

エリートで冷静沈着。自分勝手な艦長とことごとく対立。クルーからの信頼はむしろ艦長より厚い。

潜水艦:アラバマ(弾道ミサイル原子力潜水艦)

クーデターで荒れるロシア。反乱軍が核施設を制圧しもはや第三次大戦の危機? 米国は原潜を派遣する。艦長は少佐側への人種偏見まで表し対立が密室サスペンスをよりスリリングに。『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセンらクルーもミッションに大忙しで見ごたえ満載。当時の潜水艦発射弾道ミサイルに関する情報もあるのでエンドロールも必見。

『ファントム/開戦前夜』(2013)

艦長:デミトリー・ズボフ( エド・ハリス)

過去のトラウマをかかえながらも誠実な決断力もあるベテラン艦長。

潜水艦:K-129(ソ連の核ミサイル搭載潜水艦。謎の装置ファントムも設置される。公開後は中国海軍へ売却予定)

冷戦下1968年のソ連。デミトリー・ズボフ艦長(エド・ハリス)の核ミサイル搭載潜水艦に極秘任務が課される。謎の装置ファントムの技術者ブルニー(デヴィッド・ドゥカヴニー)への疑念がうごめくなか「米海軍の動きを監視し、新兵器ファントムの実験も行うこと」という指令がくだされる。退官寸前の警官ものは多いが泣かせるドラマに仕上がっており終盤にかけて濃くなるサスペンスからは目が離せなくなる。

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『深く静かに潜航せよ』(1958)

深く静かに潜航せよ
『深く静かに潜航せよ』(1958) United Artists / Photofest / ゲッティイメージズ

艦長:P・J・リチャードソン(クラーク・ゲーブル)

豊後水道で日本軍に撃沈された過去があり任務を解かれていたが、ピンチヒッターで艦長に返り咲き日本軍リベンジに闘志を燃やす。

潜水艦:Nerka

ウエスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』で2度アカデミー監督賞に輝くロバート・ワイズ監督作。原題もRUN SILENT, RUN DEEPとクール。クラーク・ゲーブル演じるリチャードソン艦長とバート・ランカスター演じる副長ブレッドソーとの対立が見もの。クルーから信頼されていたブレッドソーは艦長の座を奪われる。果たして日本軍へのリベンジは成功するのか?

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