間違いなしの神配信映画『ブルージェイ』Netflix

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ラブロマンス編 連載第3回(全7回)

 ここ最近ネット配信映画に名作が増えてきた。NetflixやAmazonなどのオリジナルを含め、劇場未公開映画でネット視聴できるハズレなしの鉄板映画を紹介する。今回はラブロマンス編として、全7作品、毎日1作品のレビューをお送りする。

20年越しの再会が若き日の感情を呼び起こす

ブルージェイ
サラ・ポールソン(左)とマーク・デュプラス - Photo by Santiago Felipe / Getty Images

『ブルージェイ』Netflix

上映時間:80分

監督:アレックス・レーマン

出演:サラ・ポールソンマーク・デュプラスクルー・ギャラガー

 カリフォルニア州の田舎町にあるスーパーマーケット。たまたま地元を訪れていた中年の男女、ジム(マーク・デュプラス)とアマンダ(サラ・ポールソン)は、そこで偶然 再会する。高校時代にはカップルだった2人だが、今ではお互い別の場所に住んでいて、アマンダは他の男性と結婚し、子どももいた。そんな20年ぶりに顔を合わせた男女が、2人きりで翌朝まで同じ時間を過ごす姿を描いた恋愛映画が、本作『ブルージェイ』だ。

 よく立ち寄っていたカフェ“ブルージェイ”や、気のいいおじさんのいる酒屋、木々に囲まれた湖畔……思い出の場所を歩き、たたずみながら話すうちに、ジムもアマンダも、忘れかけていた高校時代の若々しい気持ちを思い出していく。あの頃はお互いにいろいろな可能性があったし、田舎に住んでいても世界は光り輝いていた。

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ブルージェイ
アレックス・レーマン監督 - Photo by Jim Spellman / WireImage / Getty Images

 本作の監督は、数多くの映像作品を撮影してきた、アレックス・レーマン。ここでもカメラを担当し、この男女が会話し続け、距離が縮まっていく様子と、彼らを包み込む田舎の風景を美しいモノクロ映像で映し出していく

 離れ難くなってきた2人は、高校時代によく過ごしていたジムの母親の家を訪れる。母親はすでに亡くなっていて、そこにいるのは彼らだけだ。もし、ジムとアマンダがそのまま結婚していたらどうだったのだろうか……。2人はその家で、20年の結婚記念日を迎えた夫婦を演じるというゲームを始める。

 昔懐かしいCDラジカセから、イギリスの歌手アニー・レノックスが1980年代の曲をカバーし、1995年にリリースされた“No More 'I Love You's”が流れ出す。交際当時の懐かしい曲をバックに、ダンスを始める2人。その歌詞は、すでに去った大事な人に繰り返し言われた「愛している」という言葉が忘れられず胸を痛め、眠れぬ夜を繰り返す人物が、「『愛してる』なんてもういらない」と宣言するという切ない内容だ。それは、高校時代に別れを経験し、痛みを長く味わってきた彼らの心情を表しているかのようだ

 なぜ2人は当時別れてしまったのか。そして、すでに片方が結婚してしまった、現在の2人の関係はどうなるのか。その真相と行方は、本編で見届けてほしい。

 本作のタイトルともなっている“ブルージェイ”は、身体が青い羽毛で覆われている、アオカケスという鳥のことを指す。そして「青い鳥」といえば、モーリス・メーテルリンクの童話劇のなかで、最も近くに存在した“幸せ”の象徴としても知られている

 複数の恋愛を経て、何人かのパートナーと出会い、最終的に互いがいちばん幸せになれる相手に出会うということは、一つの理想的な人生の形かもしれない。だが、高校時代の初めてのパートナーが、互いにとって最高の存在だったとしたら……。そんな、投げ捨ててしまった身近な幸せに気づき、取り返しのつかない過去に苦しみ続けるという、本作の主人公たちの境遇は悲劇的である。

 とはいえ、何が起こるかわからないから人生は面白く、価値があるということもできる。第一、この2人がそのまま結婚していたとして、本当に幸せな生活が訪れていたのかということについては、疑問に思う部分もある。

 ささいな行き違いで恋愛関係は崩れてしまうことも多いが、うまくいかなかった過去を踏まえ、どうコミュニケーションを取るかというところが大事ではないのか。そうすれば、失敗した恋愛にも意味を見出すことができる。本作『ブルージェイ』は、その部分にも光を当てている作品だ。(小野寺系)

『ブルージェイ』Netflixにて配信中

#間違いなしの神配信映画

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