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ノーマン・リーダスが新リーダー!「ウォーキング・デッド」シーズン10撮影現場レポート

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(c) 2019 AMC Network Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 ゾンビによって崩壊した世界を描く人気ドラマ「ウォーキング・デッド」が、10月よりついにシーズン10の放送を迎える。先日、ジョージア州アトランタ郊外の小さな町セノイアで行われている撮影現場を訪問。ショーランナー(現場責任者・脚本家チームリーダー)のアンジェラ・カン、特殊メイクと監督の両方でシリーズを支えるグレッグ・ニコテロ、主要キャストたちが見どころを語った。(取材・写真:細谷佳史)

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セットに人が住んでる!

 セノイアには、ドラマ内に登場する生存者たちの居住区「アレクサンドリア」を形成する住宅街のセットがあるが、撮影のために作られたものではなく、実際にあった住宅街を装飾して撮影に使用している。いくつかの住居は今も普通に人が生活しているというから驚きだ。

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アトランタから車で約30分ほど走った小さな町セノイア周辺で「ウォーキング・デッド」のほとんどが撮影されている

 この住宅街の裏の林で、ニコテロが、ユージーン(ジョシュ・マクダーミット)とロジータ(クリスチャン・セラトス)が、ウォーカーと呼ばれるゾンビたちを倒すシーンを演出していた。あるテイクで、ロジータがゾンビを倒すアクションを気に入ったニコテロは、カメラがまだ回っているにも関わらず、興奮し思わず「いいぞ!」と叫んでしまい、撮りなおすハメに。スタートから10年が経っても、変わらぬ情熱でゾンビを演出するニコテロの姿に感心させられた。

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特殊メイクを手がけるKNB EFX Groupのオーナーで、番組のプロデューサーで監督でもあるグレッグ・ニコテロ(右)。ハリウッドで彼以上にゾンビを知り尽くしている人はいないだろう

 間近で見るゾンビのメイクは迫力満点。「特殊メイクのチームはシーズン1から変わっていない」とニコテロは言う。「僕らは常に自分たち自身にチャレンジしている。脚本は常に複雑で、座ってリラックスできるようなエピソードは決してない。アクションシーンに関しても、すでにやったものを繰り返さないよう心がけている。番組もどんどん大きくなっていて、(シーズン10の)予告編に出てくる砂浜のシーンなんか、今までにやったなかで最も複雑なシーンだった」

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人類の戦いは中世に戻る!?

 シーズン9からスコット・M・ギンプルに代わってショーランナーとなったカンは、予告編について「新しいやり方で戦う生存者たちを見られるわ。とても中世的な戦い方なの。彼らは、人類が過去にやっていたことを再現しようとする。また、今回素晴らしいセットを作ったわ。それを皆さんが見るのを待ちきれない」と明かす。

 そして、「ファンのおかげでシーズン10まで到達できたことをとても有り難いと感じている」と語るカンは、番組が成功した理由の一つは、その多様性にあると見る。「ロバート・カークマンの原作コミックは時代の先を行っていたと思う。ファンのお気に入りのキャラクターはLGBTQだったりした。常にマイノリティー側のキャラクターや強い女性たちだったのよ」

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予告編での、ミショーンとエゼキエルのキスが話題になっているが、今シーズンはロマンスも大きな要素になりそうだ。「今のショーランナーのアンジェラ・カンはとても協力的よ。長年キャラクターを演じてきた役者の意見に耳を傾けそれを物語に生かすの。私は、自分が持つキャラクターへの知識を使い、カンたちが欲しいものを理解し、役と繋がるの。そこには素晴らしいビジョンと共同作業の成果があるわ。それがこの番組を支えているの」(ダナイ・グリラ)

 ハリウッドでは現在、作品の内容も、スタッフ編成に関しても、「多様性」という言葉がこれまで以上に重要視されており、カンは、「脚本家チームも男女の比率は半々でバランスがとれている」と語る。「幅広い意見が飛び交っていて、番組の世界を反映している。アメリカはとてもインターナショナルな国で、移民の国なの。去年、私たちがやろうとしたのは、違う種類の能力を持った人たちが違う形で(コミュニティーに)貢献するさまを見せるということ。それで、ろうあの女優を起用した。そういったことが物語を豊かにしてくれるのよ」

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新たな番組の顔ノーマン・リーダス

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シーズン9からオフロードバイクに乗り換えたダリル。ノーマンも加速の早いオフロードバイクを気に入っているという。「ダリルとキャロルの関係は今年はいろいろと不和が生じる。彼女は独自の道を進んでいくけど、そのことがみんなを危険な状況に巻き込んだりする。そして、僕がその問題に対処することになるんだ」(リーダス)

 昨年アンドリュー・リンカーンが番組を去った後、番組の顔として作品を引っ張るのが、ダリル役のノーマン・リーダスだ。今やシーズン1からのキャストは、キャロル役のメリッサ・マクブライドとノーマンのみになってしまったが、「今でも脚本を読んで驚かされる」と言う。「ライターたちは常にストーリーを変えるからね。特に悪者や脅威に関して。ガバナーとニーガンのやり方は全然違うし、アルファはニーガンと全く違う。ニーガンは、野球のバットを持って『お前らをぶちのめす!』といった感じだけど、アルファはもの凄い数の軍団を率いていて、彼らはウォーカーか“囁く者”か見分けがつかない。今シーズンはとても複雑で多くのストーリーが絡み合っている。そこでは人々がお互いのことを信頼していない。多くのパラノイアが渦巻いているんだ」

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セノイアのメインストリートには、ノーマン・リーダスとグレッグ・ニコテロが経営するバー&レストラン、NiC&NOMAN’Sがある

 ギレルモ・デル・トロ監督が1997年に発表した『ミミック』や『処刑人』で注目され、本作で一気にスターの仲間入りを果たしたリーダス。ダリル役に出会ってからの10年間で、人生が大きく変わったのは言うまでもない。「クールな人だけが知っているインディー映画の役者から、この番組の新しい役者になり、その後ものすごく有名になった。番組の最初から僕は多分、ファンのお気に入りだった。セリフの長さや、(発売された)オモチャの量から見たらね。新しい人気者という立場は奇妙だった。しょっちゅう『これは一体何なんだ?』と思っていたよ。買い物に行くと、みんなが追いかけてくるんだ。3年くらい前までは戸惑うこともあったけど、今は平気だ。そういったことに対処できるようになったよ」

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「ニーガンは今でも自惚れが強くて危険な面を持っている。でも、彼は子供好きで、動物好きでもある。大人は信用していないけどね」(モーガン)

 番組内では、ダリルと敵対関係にあるニーガンだが、演じるジェフリー・ディーン・モーガンとは、ノーマンの旅番組「ライドwithノーマン・リーダス」内でツーリングに出かけるほどの仲良しだ。モーガンは、ノーマンのリーダーシップを絶賛する。「彼は、これまでアンディがやっていた役目を受け継いだ。仕方なくリーダーになったという感じだけど、とてもいいんだ。アンディは声を張り上げるタイプだったけど、ノーマンは行動でみんなをリードするタイプなんだよ」

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NiC&NOMAN’Sの店内。店内にはリーダスが撮った写真が飾ってある。

 また今シーズン、ダリルとニーガンの関係が大きな見所になることをモーガンはほのめかした。「僕らは2人(ダリルとニーガン)が一緒になるシーンをやることをずっと要求していた。今シーズンの終わりには、彼はダリルとある関係を築くことになる。“囁く者”たちはとても大きな問題で、お互いに寄り添う方法を見つけないといけないんだ。牢屋の外にいられるのはナイスだし、今年はニーガンにとって面白い年になるよ」

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『シャイニング』に出てくる写真を「ウォーキング・デッド」のキャストに置き換えたパロディー写真が最高!

 今シーズン、ダリルたちは、“囁く者”の脅威にどう立ち向かうのか? ローレン・コーハン演じるマギーは戻ってくるのか? 来年公開を予定しているリックが主人公の映画版とクロスオーバーする可能性は? シーズン10は、今後の「ウォーキング・デッド」にとって大きな節目のシーズンとなりそうだ。

「ウォーキング・デッド」 シーズン10はFOXチャンネルで日本最速放送 10月7日(月)スタート、毎週月曜 夜10時~ほか
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