Netflix映画『彼女』で導入!インティマシーコーディネーターって?(2/4)

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 インティマシーコーディネーターになるには資格が必要となり、浅田さんはアメリカを拠点とする組織「インティマシー・プロフェッショナルズ・アソシエーション(IPA)」でトレーニングを受けた。トレーニングとはいったい、どんなものなのか?
 「通常、数か月にわたって座学とワークショップがあるのですが、わたしの場合、コロナ禍だったのですべてオンラインでのトレーニングでした。役割、業務内容、セクシャルハラスメントというのはどういうものなのか、トラウマにはどう対応していけばいいのか、ジェンダーやセクシュアリティなど知識を学びます。ワークショップでは、いかに安全かつリアルにそういったシーンを見せるのかということを勉強します。カメラアングルなどで見せ方もいろいろと変えられますし、その中でキャストがどのようにすれば芝居をリアルに見せられるのか。振りや動きも学びました」

安全な撮影を目指しキャスト&スタッフの相互理解を手助け

画像はイメージiStock.com / Yusuke Tadika / EyeEm

 では、『彼女』では具体的にどのような工程があったのか。
 「まず台本を読み、センシティブシーンと思われるシーンを抜粋していきます。台本にもよるのですが、例えばト書きに『情熱的』というワードがあったとしたら、その言葉から想像することは人それぞれだと思うので、台本が指す情熱というのはどういうことなのか。『そっと触れる』の場合、どこに触れるのか。『そっと』というのはどのぐらいなのか。そういったことを監督に詳しく聞いたうえで、センシティブシーンの撮影があるキャストの方々と面談します。『彼女』の場合、例えばシャワーシーンは『肌の露出』に該当するのですが、台本には演者の体のどこまで見えているのかまでは記されていません。シャワーという時点で普通は全裸だと思いますよね。でも、演者のどこを切り取るのかは監督とカメラマンが判断するものなので、そういったことの確認が必要になります。監督とキャスト、それぞれの要望をヒアリングして、そのシーンで何を見せたいのか。それをどこまでキャストが表現できるのか。そこに何か無理はないのかなど。できること、できないことをクリアにして、双方が合意した形で撮影が行われるようになります」

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キャスト&スタッフを守る「クローズドセット」

画像はイメージ iStock / Getty Images Plus

 撮影前のみならず、センシティブシーンの撮影が行われる日は必ず現場に立ち会ったという浅田さん。特に重要になるのは、センシティブシーンにおいて必要最低人数で撮影を行う「クローズドセット」の体制が厳守されているかどうかという点だ。
 「撮影現場では、まず撮影前にキャストがセンシティブシーンに出演するうえで何か心配事はないのかを確認します。撮影中は、クローズドセットが遵守されているのかを確認しつつ、キャストがすぐに声をかけられるような場所に待機して、何かあったらすぐにサポートします。このクローズドセットというのも日本ではまだ新しい言葉で、『当然配慮している』という方はたくさんいらっしゃいますが、過去にキャスト側から『この人数は少し多いのではないか』『なんであの人がいるんだろう』と思った、というようなお話も多く聞いています。そういったことがないように、モニターの数なども含めて撮影環境を確認させていただきます。日本でも、もともとセンシティブシーンは人数を絞って行われてきていると思うんですけど、アメリカではそれがしっかりとルール化されています」

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