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Netflix映画『彼女』で導入!インティマシーコーディネーターって?(3/4)

今週のクローズアップ

 一方、インティマシーコーディネーターがサポートするのはキャストにとどまらず、スタッフも同様だ。
 「スタッフの方に自分はここにいていいんだろうか? という不安があれば、仕事に集中できないと思うんです。そのクローズドセットのメンバーの一人であることに自信をもって現場に入ることが重要だと思うんですね。自分はどういう役割なのか、本当にクローズドセットにいる意味があるのか、を明確にした方がスタッフもキャストも仕事をしやすいのではないかと思います」

この職業を取り巻く問題点と展望

『彼女』メイキングより水原希子、さとうほなみ、廣木隆一監督

 そうして『彼女』の撮影を終えた浅田さんは、すでに別作品の撮影に参加しているというが、初めてインティマシーコーディネーターとして参加した心境についてこう語る。
 「キャストの皆様と面談させていただいた際には、この作品で初めてインティマシーコーディネーターが導入されたので、まずはこのポジションがどんなことをするのかというところからお話させていただいたのですが、最初は皆さん戸惑ったと思うんですよね。ピンとこないのではないかと思ったのですが、きちんとこの職業の重要性も理解いただけてとてもオープンに話すことができたように思います。誰に聞けばいいんだろうというちょっとした不安はあると思うので、そういったことの解消につながったのではないかと思います。実際にキャスト、スタッフに『いてくれてよかった』とおっしゃっていただけた方がいますので、そういった方々が少しずつ増えていって、この職業が入ったことによっていい結果が生まれた、何かトラブルを防げた、ということにつながっていけばと思います」

 日本ではまだ始まったばかりだが、この職業が映画業界に浸透していく可能性はあるのか? 浅田さんは「まだこれから」としながら、今後の展望を以下のように語る。
 「『撮影環境を安全に気持ちよく』というNetflixさんの考えにとても共感しているので、この立場で参加できたこと、こういったかたちで第一歩を踏み出せたこともうれしいです。ただ、何においても新しいことを始めるのは難しいと思います。そもそもセクシャルなことに対して抱いている概念、考え方というのは、人それぞれ違っていると思います。同時にセクシャルなことに対する『配慮』の認識も、ですね。その人にとっては普通だったことが、他作品の同じ部署の方からすると新しいことだったり。インティマシーコーディネーターは、今までになかったポジションなので、ある意味、フローがあった中に入ることになり制作の工程が増えることになります。ですので、『なくともいいじゃないか』という考えもあると思います。同じコーディネーターという言葉が付く職業でも、フードコーディネーター、アクションコーディネーターなどはわかりやすいですが、この職業はつかみどころがないところがありますし、なかなかピンとこないと思うんですね。この職業が周知されていくことはもちろん、その前にセンシティブシーンとは何を指しているのか、どこからどこまでなのか、そういったことも含めて丁寧に説明して理解していただくことが大事かなと思っています」

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