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「ウォーキング・デッド:デッド・シティ」第1話:狂気のマギー…グレンのトラウマが蘇る

今週のウォーキング・デッド

 「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」に続いて、「ウォーキング・デッド」の後日譚スピンオフ「ウォーキング・デッド:デッド・シティ」の日本配信がスタートした。人気キャラクターのマギーとニーガンが主人公となる本作は、第1話「古くからの知り合い」から、本家シリーズとはまったく違う斬新な世界観に圧倒される!(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:デッド・シティ」第1話をまだ見ていない方はご注意ください。

マギー凶暴化…ニーガンとの関係性に変化

 荒廃したビル群に草木が繁茂するマンハッタン。感染の拡大を防ぐために橋を破壊し、孤立したこの島には、行き場を失った無数のウォーカーがうごめいている。夜は青黒い闇に閉ざされ、音に反応したウォーカーが、ビルの高層階から落下してくる。「デッド・シティ」は、本家シリーズとは世界観がまったく違って新鮮だ。

 さらに注目すべきは、マギー(ローレン・コーハン)とニーガン(ジェフリー・ディーン・モーガン)の関係性が、本家シリーズ完結話とは違うこと。本家シリーズでは、和解はしないがお互いを認め合う場面もあったが、「デッド・シティ」は逆戻りに。マギーの精神状態が、敵集団に息子を誘拐されたせいで乱れて、夫・グレン(スティーヴン・ユァン)の死の情景の悪夢を見るようになり、改めてニーガンに向かって「あんたへの恨みが消えることはない」と宣言する。そのマギーの悪夢は画面にも登場。2016年に日本で放送されたシーズン7第1話のグレンの死の状況を、再び目撃するのは予想外でショッキング。しかし、このシーンを見るとマギーの気持ちもよくわかる。

 この心境の変化のため、このドラマのマギーはかなり凶暴だ。冒頭から、自分を襲ってきたウォーカーを倒すだけでなく、その頭部を完全に潰れるまで叩き続ける。周囲の人々への態度もコワモテ。本作のマギーは、バッドアスな魅力をたっぷり発揮してくれそうで、それも楽しみ。マギーを筆頭に、ドラマ全体のバイオレンス度がアップ。スピンオフでは、かなりハードなドラマが期待できそうだ。

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 そんなマギーが、ニーガンに協力を要請するのは、息子ハーシェル(ローガン・キム)を誘拐した組織のリーダーが、かつてニーガンが率いた組織・救世主の一員だからという理由も、説得力がある。

 ドラマの背景関連の情報も山盛り。現在のハーシェルが10代の少年なので、時間的には、本家シリーズ完結話から数年が経っている。ニューヨーク周辺には、複数のコミュニティーが集まったニューバビロン連邦が誕生。「ニューバビロン法」が制定され、連邦保安官もいる。

 また、ニーガンはその裁判官らを惨殺して、連邦のお尋ね者になっている。ニーガンが「連中の言うことを鵜呑みにするな」「罰はすでに受けた」と言うのを聞くと、彼が現在、妻や子供と一緒にいないのは、この出来事と関連があるらしい。それが何だったのか、ここ数年間のニーガンの過去がこれから明かされていくのにも注目したい。

マギー&ニーガンに迫る2人の敵キャラクター

 第1話から、敵キャラクターが2人も登場。まず1人は、ニーガンを追う連邦保安官パーリー・アームストロング。保安官といっても「公開処刑」が日常的で、いきなり銃で撃ってくるので信用できない。演じるのは『プリズン・エクスペリメント』(2015)やドラマ「グレイズ・アナトミー」シーズン9~10(2012~2013)のシェーン・ロス医師役で知られるガイウス・チャールズだ。

 もう一人は、マギーの息子を誘拐し、拷問しようとするクロアチア人。かつてはニーガン率いる救世主の一員で、ニーガンが「俺の仲間はみんなクズだったが、あいつのイカれ具合は群を抜いてた」と言うほど凶悪な人物だ。ビルの20階から平然と男を墜落させるなど、初回から残虐さを発揮する。同役を務めるジェリコ・イヴァネクは『アルゴ』(2012)、『セブン・サイコパス』(2012)、『スリー・ビルボード』(2017)などのベテラン俳優だ。

 同作のクリエイター、イーライ・ホルネは脚本家出身。本家シリーズでは、シーズン10から共同製作総指揮に参加し、脚本3作を担当。シーズン11のコンサルティング・プロデューサーを務めているので、「ウォーキング・デッド」の世界に関する知識は充分。このシーズンでは計4話の脚本を担当する。また、主演の2人が製作総指揮に参加しているので、マギーとニーガンの魅力がたっぷり描かれるのは間違いない。

 さて、これからマギーとニーガンは、どうやってハーシェルを救出するのか。“クロアチア人”がハーシェルに「ニーガンについて知っていることを話せ」と迫るのを見ると、この人物とニーガンには過去に何かの因縁がありそうで、それも気になるところ。

「ウォーキング・デッド:デッド・シティ」はU-NEXTで独占配信中(全6話、毎週金曜1話ずつ配信)

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