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フランス大統領の告白に国民も騒然!? 国家ぐるみのユダヤ人迫害の歴史を映画化した衝撃作!

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この真実……あなたならどう受け止める!?
この真実……あなたならどう受け止める!? - (C) 2010 - Hugo Productions - Studio 37 - TF1 Droits Audiovisuel - France2 Cinema

 ナチスドイツによるユダヤ人迫害やアウシュビッツの存在はよく知られているが、1942年にフランス政府が大々的に行った「ヴェルディヴ事件」といわれるユダヤ人迫害のことを知る人は少ない。1995年、シラク大統領の演説で初めて明らかになったその事実を掘り下げた、タチアナ・ド・ロネの小説を映画化した『サラの鍵』がついにお目見えする。

映画『サラの鍵』場面写真

 第2次世界大戦中、ナチスドイツ占領下で激しい抵抗を繰り返した「レジスタンスの国」を自負するフランス。だが、その一方で、皮肉にも自国政府による大規模なユダヤ人迫害が行われていたという歴史の恥部を白日の下にさらし、ついに映画化にまで至った『サラの鍵』。

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 そもそもことの発端は、1995年に当時のシラク大統領が行ったスピーチなのだが、大半のフランス人はこの「ヴェルディヴ事件」と呼ばれる悲劇についてほとんど何も知らされていなかった。それだけに戦時中の1942年、パリ中から集められたユダヤ人が、急きょヴェルディヴ(冬季競輪場)に詰め込まれ、ろくな宿泊施設もない場所に何日も収容されたという衝撃の事実に、フランス国民も困惑し、大きな衝撃を受けたという。

 この物語のキーパーソンとなる少女サラは、ユダヤ人一斉検挙が行われた朝、機転を利かせて弟を納戸に隠して両親と共にヴェルディヴに連行される。そんな歴史の闇に埋もれた彼女の存在に初めて気付くのは、クリスティン・スコット・トーマス演じる現代のアメリカ人ジャーナリストのジュリアだ。サラの存在を追い求める彼女と、フランス人の夫やその家族との間は次第にぎくしゃくしていくのだが、それでもジュリアはあきらめずに歴史の暗部へと分け入っていく。

 タチアナ・ド・ロネの原作をこよなく愛す人気作家の角田光代も、「小説を読んだ時と全く同じように心に染み入り、揺さぶる」と映画『サラの鍵』への称賛を惜しまない。そして「ジュリアは、誰を傷つけても何を失っても、サラとの出会いを無にできなかったのだ」とも言う。確かに「知る」ということは、時にあまりにも残酷で、心を痛めることもあるかもしれないが、わたしたちはあの日、あの時、あの場所で、サラや家族が体験したむごい現実について「知る」必要がある。いくら目を背けたい真実でも、もう知らないふりはできないのだから。(文:平野敦子)

映画『サラの鍵』は12月17日より銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

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