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オスカー有力候補の『ゼロ・ダーク・サーティ』、主演男優と脚本家が明かす撮影秘話

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『ゼロ・ダーク・サーティ』より
『ゼロ・ダーク・サーティ』より - Jonathan Olley(C) 2012 CTMG. All rights reserved

 2009年に映画『ハート・ロッカー』でアカデミー賞脚本賞を受賞したマーク・ボールが、再びキャスリン・ビグロー監督とタッグを組んだオスカー有力候補の新作『ゼロ・ダーク・サーティ』について、主演男優ジェイソン・クラークと共に語った。

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』場面写真

 同作は、アメリカの威信をかけて、CIAのウサマ・ビンラディン追跡チーム、マヤとダン(ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク)が、最先端技術による情報収集、アルカイダメンバーへの過酷な拷問、さらにスパイ活動によって、9.11同時多発テロの首謀者ビンディランに迫っていく過程をリアルなドラマとして描いた作品。

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 アルカイダ・メンバーから情報を得るために過酷な拷問をするダン役のジェイソン・クラークは「キャスリン監督は、僕らが演じることが難しい拷問シーンのために、撮影はまるで(そのシーンを)ドキュメントするような環境を作ってくれていた。この拷問シーンは特定の人物の観点では描かれず、観客をその拷問が実際に行われたという、恐怖へと導くシーンとして表現されているんだ」と語り、さらにリサーチの過程において「個人的には、テレビドラマ『ザ・シカゴ・コード(原題) / The Chicago Code』などでも警官を演じていて、そのリサーチ過程で殺人事件の尋問を何度か見たことがあった。そこで、(拷問をする中で)どんな尋問が効果的かを学び、この映画にも役立てることができたんだ」と語った。

 2004年にアブグレイブ刑務所の虐待事件があり、CIAのウサマ・ビンラディン追跡チームは、その影響からその後の(拷問を含む)尋問の仕方に変化があったのか、との質問に「CIAの被拘禁者のプログラムは、2006年に終わっているんだ。アフガニスタンやイラクで捕らえられた人々が収容されたグアンタナモ米軍基地の収容所では変化があったようだ。だが、ブッシュ政権のもとで採用されていた尋問のテクニックは、オバマ政権に変わってから認められなくなった。それが、尋問する過程で大きな変化になった」とマークが明かした。

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 キャスリン監督の演出についてジェイソンは「演出の際に、俳優の演技がうまくいかなくてそのシーンを省いたり、モンタージュ(視点の異なる複数のカット)で撮影していると、俳優は集中できないこともあるが、彼女はそれでも我々の緊張感を途切らせずに演出してくれる。撮影中は、3、4台のカメラで同時撮影していたこともあり、まるで舞台のような感覚で演じることができた」と語った。また、ジェシカ・チャステインとの共演は「彼女とはこれが3作目の共演だけど、以前から彼女のことは女優として注目していたよ。ただ、そんな注目している彼女でも、追跡チームの拷問を後ろで監視する演技は辛かったようで、監督にカメラを止めさせて一時中断し、脇にそれて泣いていたこともあった。それほど大変な撮影だったんだ」と明かした。

 映画は上映時間2時間37分だが、キャスリン監督の緊張感溢れる演出と執念のような追跡を繰り広げるマヤ役ジェシカ・チャステインの演技が、観客を最後まで引きつけていく作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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