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最恐母VS警察!トロント観客賞の注目作とは

世界中の演劇界を震撼(しんかん)し続ける鬼才マーティン・マクドナー監督
世界中の演劇界を震撼(しんかん)し続ける鬼才マーティン・マクドナー監督

 今年行われた第42回トロント国際映画祭で観客賞を受賞した話題作『スリー・ビルボード』(2018年2月1日 日本公開)についてマーティン・マクドナー監督が、11月8日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【動画】映画『スリー・ビルボード』海外版予告

 舞台はアメリカ・ミズーリ州。7か月前に最愛の娘が何者かに殺されたにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに業を煮やしたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、無能な警察ウィロビー(ウディ・ハレルソン)やディクソン(サム・ロックウェル)に抗議するために、町はずれにある3枚の巨大な広告看板に批判メッセージを残す。それを不快に思った警察とミルドレッドの争いが勃発する中で、殺人事件の謎が徐々に解けていく。『セブン・サイコパス』のマクドナー監督がメガホンを取った。

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 今作のアイデアが生まれた経緯についてマクドナー監督は、「『ヒットマンズ・レクイエム』や『セブン・サイコパス』で、精神的に強い女性を描いてこなかったから、強い女性を主人公にした映画を作ってみたかったんだ」と語る。今から17年前にバスで旅行中、今作の看板に似た、警官に対してひどく怒っている広告看板を見たことがあったそうで、そんな広告看板と強い女性の二つを結びつけたことで、ミルドレッドというキャラクターが出来上がったと明かした。

 これまでヨーロッパの設定の作品が多かったマクドナー監督だが、今作のミルドレッドというキャラクターは、完全にアメリカ人に思えたと言う。「ミルドレッドは、たくましいこの土地(ミズーリ州)を象徴する女性だと思うんだ。僕のこれまでの作品のようにヨーロッパの設定にしていたら、ストーリーがうまく機能しなかったかもしれないね」とアメリカが背景であることが重要であると話す。続けて「今のアメリカの政治は二極化しているけど、そんな政治的なアングルも背景に置きながら描いているんだ」と述べた。

 キャスティングについては「ミルドレッドというキャラクターは、フランシスを想定して書いたんだ。もし彼女が出演を断っていたら、誰をキャスティングしていたかわからないけど、作品自体が台無しになっていたことだろうね。実はサムが演じたディクソンもサムを想定して書いたんだ。ウディは10年以上も知人で、『セブン・サイコパス』でタッグを組む前から舞台などを通して彼のことを知っていたんだ。彼はウィロビーに人間性を見事に吹き込んでくれたし、観客もウィロビーの全身全霊をかける姿に納得させられると思うよ」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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