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7年を費やしたストップモーションアニメ『JUNK HEAD』公開!制作のきっかけに新海誠

絶賛を集める『JUNK HEAD』の公開を迎えた堀貴秀監督
絶賛を集める『JUNK HEAD』の公開を迎えた堀貴秀監督 - (C) 2021 MAGNET / YAMIKEN

 27日、SFストップモーションアニメ『JUNK HEAD』の公開記念舞台あいさつが、池袋シネマ・ロサで行われ、約7年の歳月を費やして本作を完成させた堀貴秀監督が出席、制作を振り返った。

壮大なイマジネーション『JUNK HEAD』フォトギャラリー

 本作は、環境破壊と新種のウイルスによって人類が絶滅の危機を迎えようとしている時代を舞台に、主人公のパートンが、人類の未来を救うために地下迷宮に潜入するさまを描くディストピア映画。世界中の映画祭で上映され、『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督も「素晴らしい!! 狂った輝きを放ち、不滅の遺志と想像力が宿っている」と賛辞を贈った本作が、いよいよ日本公開を迎えた。

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 監督のみならず、原案、キャラクターデザイン、編集、撮影、照明、音楽を担当した堀監督は、観客で埋まった場内を見渡しながら、「こんなに来てもらえるとは。今まで公開が進まずにじれったかったのですが、やっと公開できました」と晴れやかな表情を見せた。

 本作のベースとなったのは、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の短編部門でグランプリを受けた短編映画。『JUNK HEAD』のベースとなった同作を作ろうと思ったきっかけについて、堀監督は、ほとんど一人で『ほしのこえ』を自主制作したという新海誠監督の存在があったことを明かす。「映画は好きでずっと観ていたんですが、一人で作れるわけないな、と思っていた。でもそんなときに新海さんが作ったと聞いて。それまで人形は作っていたので、コマ撮りなら一人でできそうだなと思ったんです」と振り返る。

 独特な世界観に影響を与えたのは、旧ソ連のカルトSF『不思議惑星キン・ザ・ザ』だったという。「10代の頃に観て、これだと思って。初恋の人みたいな感じの映画でした」という堀監督。司会者から、『JUNK HEAD』は女性からの評判も良かったという声を聞くと、「『キン・ザ・ザ』が好きという女の人もあまり聞かなかったので、女性には好かれないかなとあきらめていたんですが」と笑顔を見せた。

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 壮大で作りこまれたセットは、堀監督の本職が内装業であったことも大きかったという。「これまで、日本全国のお店で、変わったものだったり、古めかしい感じの造形物を作ってきたので。このセットはそれらをそのまま小さくした感じでした。すんなりと作ることができましたね」という堀監督は、「千葉に大きな倉庫があって。映画を作るにあたり、中の壁を取っ払って、それ用に改装したという感じですね」と明かした。

 7年もの歳月を経て完成させた本作に「この映画を作ることができたのは、あきらめずにやってきたから。自分に才能があるとしたら、あきらめなかったことだと思う」と誇らしげに語る堀監督。そして「この作品を観ていただいて。途中で話が終わっていると感じると思いますが、実は三部作になっています。続編の絵コンテもあがっています。でも続編が作れるかどうかはこの映画のヒットにかかっているので、よろしくお願いします」と観客にメッセージを送った。(取材・文:壬生智裕)

映画『JUNK HEAD』は全国順次公開中

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