園監督の原点回帰を、今どのように捉えるか?

後半パートで連呼される「人生のエキストラでいいんか!?」の台詞だけでなく、香港の雨傘革命のニュースが流れるなど、メッセージ性が強く、本作後に撮った『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』と比べると、園子温監督の色がだいぶ濃厚な一作。作品の売りでもあるワークショップで選抜された51人の役者に関しては、ぶっちゃけピンキリだが、メインの数名に関しては、やはり光るものを持っている感アリ。映画業界あるあるなど、かなり既視感があるうえ、刺激的にもちょっとモノ足りない。さらに、まさに園監督の原点回帰と思わせる描写も多く、その青っぽさが今どのように捉えるか?が評価の分かれどころだといえる。