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ウェス・アンダーソン監督の美学、さらに極まる

2022年1月14日 平沢 薫 フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ★★★★★ ★★★★★

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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

 ウェス・アンダーソン監督の美学が、これまでの作品にも増して極まっている。"雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の掲載記事"という体裁で、この監督好みの物語が複数並列的に配置されて、美学が増幅。カット数が多く、大多数は短く静止画のようなカットもあり、そのカットのすべてが、色彩、構図、造形、動きさえも一つの美学で完璧に統一されているので、美学が連打されて極まり、画面の中を動く猫までが、アンダーソン監督の指示通りの速度で歩いているかのように見えてくる。登場人物の設定も、監督お気に入りの「ニューヨーカー」誌の編集者らがモデルとのことで、同じ美学で統一。思想ではなく美学によって創造された世界が魅了する。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「アーカイブ81」@Netflix、"発見されたフッテージ"ものだが、それがサイコものになり、ホラーになり、超常現象もの、オカルトものと、ジャンルがくるくる交代。この頃、こういうジャンルを横滑りするストーリー展開の作品が増えているような。

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