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人は自分と似ている人間ほど目障りに感じるもの

2014年11月12日 なかざわひでゆき 嗤う分身 ★★★★★ ★★★★★

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嗤う分身

 地味で目立たない不器用な男サイモンが、容姿は自分と瓜二つだが性格はまるで正反対の分身ジェームズによって、仕事も恋愛も生活も奪われていく。
 あえて時代も場所も特定できない陰鬱とした世界は、ドストエフスキー原作だからというわけではないが、どことなくソ連時代のロシアを連想させる。その妙な懐かしさと重苦しさの混在する異空間に、昭和歌謡の寂しげなメロディがよく似合う。
 人によって様々な解釈のできる作品だが、果たしてサイモンを要領のいいジェームズに嫉妬するウジウジとした情けない男として軽蔑するか、それとも悪魔のような分身に存在を脅かされる可哀想な男として同情するか、そこがひとつの分岐点かもしれない。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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